私たちにとって、日々の生活を支えてくれる身近で必要不可欠な存在である食品スーパー。一部の地域で重点的に展開している企業も多く、地域にしっかりと根付いて活性化を担い、住民たちの支持を得ているところも少なくありません。今回は、食品スーパーの直近の決算資料などをもとに、企業ごとの年収を比較しました。
平均年齢40.0歳で平均年収は490万円
今回ピックアップしたのは、日本の食品スーパーのうち売上高の大きい25社。持ち株会社の傘下企業や、非上場で決算資料が非公開の企業については対象外としています。
25社の単純平均による平均年齢は40.0歳で、平均年収は490万円となっています。また、各社の従業員数で加重平均した平均年齢は40.1歳で、平均年収は512万円です。加重平均での平均年収が高めに出ているのは、従業員数が多く平均年収が高いヤオコー、いなげやなどの寄与によるものです。
一番高いのはヤオコーの595万円、一方で400万円前後も
下図は、投信1編集部データ分析室が決算資料をもとに作成した各企業の平均年齢と平均年収の分布です。
ヤオコー
まず、平均年間給与が一番高かったのはヤオコーです。ヤオコーの平均年齢は38.2歳で平均年収は595万円となっています。同社は、埼玉県を中心に関東地方で展開しており、安さとサービスの良さに定評があります。自社商品の開発や食事について相談のできるクッキングサポート、さまざまなニーズに合わせた食品の品揃えなど、食生活提案型スーパーマーケットを目指してさまざまな工夫を凝らし、地元住民の支持を集めています。
オークワ
続いてオークワですが、平均年齢は46.1歳で平均年収は492万円と、業界平均に比べると平均年齢が6.1歳高く、平均年収はほぼ同じです。同社は、和歌山県を中心に奈良、大阪、三重、愛知、岐阜など1府7県で展開しています。顧客のニーズに合わせた4業態を展開するほか、地域限定のネットスーパーや高齢者への配達サービスなど、地域社会へ貢献し続けるリージョナルチェーンを目指してさまざまなサービスを充実させています。
ハローズ
ハローズは、平均年齢32.2歳で平均年収は410万円と、業界平均に比べると平均年齢は7.8歳低いですが平均年収も80万円低くなっています。同社は、広島、岡山、香川、愛媛、徳島で展開している365日24時間営業が特徴のスーパーです。「地域社会の生活文化向上に貢献する」を経営理念に、瀬戸内海沿岸部でのドミナント出店で、市場占拠率No.1の競争力あるリージョナルチェーンを目指しています。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。食品スーパーは、全国展開するよりも地域密着のリージョナルチェーンを目指しているところが多く、平均年齢や平均年間給与には各社でかなり差があることがわかりました。コンビニエンスストアやネット販売など、業界内だけでなく他業界との競争もある一方で、やはり食品スーパーは生活に欠かせない存在です。各企業が今後どのような戦略を展開して他との差別化を図っていくのか、楽しみな業界です。
以下、今回ピックアップした企業のデータとなります。ご参考にしてみてください。
出所:SPEEDAをもとに投信1編集部データ分析室作成
LIMO編集部