GWが明け、レジャーや旅行などでお金を使い、お財布を引き締めようと考える方もいるのではないでしょうか。
今年に入っても物価高は続き、家計に辛い状況が続きます。
加えて少子高齢化により将来の年金額に不安が残る現代では、日々の生活費とともに早めに老後資金について考えたいところでしょう。
老後資金を作る方法は多々ありますが、2024年から新NISAが開始される予定であり、預貯金だけでなく資産運用を取り入れるのもいいでしょう。
今回は新NISAについて確認した後、65歳までの老後準備ぬ向けて、40歳から64歳までの25年間に月3万円を年利3.0%で運用した場合の運用益をシミュレーションします。
2024年に開始される新NISAとは?
まずは2024年よりはじまる予定の新NISAについて見ていきましょう。
現行のNISA制度からの主な変更点は以下のとおりです。
【新NISA】現行からの変更点
- NISA制度自体を恒久化
- つみたて投資枠(現つみたてNISA)と成長投資枠(現一般NISA)の併用が可能に
- 年間投資枠が拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円、合計年間360万円)
- 非課税保有限度額が1800万円に(うち成長投資枠は1200万円)
- 非課税保有限度額の再利用が可能に
- 非課税保有期間が無期限化
改正によって利便性が向上するので、2024年からの利用を検討するのもいいでしょう。
40歳から64歳まで「月3万円・年利3%」で積立した場合のシミュレーション
新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。つみたて投資枠は、毎月一定額を積み立てる積立投資で、老後資金準備にも向いています。
ただ基本的に長期間の運用となるため、運用がイメージしづらいところもあるでしょう。
今回は金融庁「試算運用シミュレーション」をもとに、月3万円を年利3.0%で運用した場合について、シミュレーションしてみましょう。
以下の条件でシミュレーションします。
- 毎月の積立金額:3万円
- 想定利回り(年率):3.0%
- 積立期間:25年
元本900万円に対して、運用益は438万円、最終積立総額は1338万円です。
2019年には老後2000万円問題が話題となりましたが、その一部を運用で準備することもできるでしょう。
通常、投資の運用益には20.315%の税金がかかります。
運用益438万円から約87万円の税金が差し引かれますが、新NISAを利用すれば非課税となり、税制優遇の恩恵を受けることができます。
もちろん運用にはリスクがあり、またどれくらいの利回りで運用できるかは後にならなければわかりません。
ただ今回のようにシミュレーションを行うことでイメージしやすくなるでしょう。
40歳代の手取りからの貯蓄割合を確認
新NISAと積立投資について見てきましたが、月いくら貯蓄し、また運用に回すか悩ましい方もいるでしょう。
収入だけでなく、家族の人数や年齢、就業状況、子どもの進学状況などによっても積み立てられる金額は異なるものです。
参考までに、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)2人以上世帯調査」より、40歳代二人以上世帯の年間手取り収入からの貯蓄割合(金融資産保有世帯)をみると、平均は12%。
内訳をみると「10~15%未満」が21.5%、「5~10%未満」が16.7%、「20~25%未満」が12.6%となっています。
ご家庭の状況に合わせて、まずは平均を目標にしてみるといいでしょう。
40歳代から老後資金について考えよう
40歳から64歳まで25年間「月3万円・年利3%」で新NISAを利用すると、最終的なリターンは1338万円でした。
貯蓄の一部で資産運用を取り入れるのも老後資金対策の一つです。
これを機に投資の勉強や新NISAに関する情報収集を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
宮野 茉莉子