年収1000万円で高所得貧乏に陥る理由2つ
世間的に高年収と言われる「年収1000万円」という収入がありながら、高所得貧乏に陥ってしまう理由はどこにあるのでしょうか。考えられる理由を見ていきます。
高所得貧乏になる理由1.所得に対して支出が多い
高所得貧乏となる理由の一つに、所得に対して支出が多いという点が挙げられます。
日本で収入、支出ともに高いと考えられる都市といえば東京都でしょう。
2021年に公表された国土交通省「都道府県別の経済的豊かさ」より、二人以上世帯の食費に家賃、水道光熱費などを加えた基礎支出は東京都が19万9372円で1位でした。
都道府県別の基礎支出
- 東京都:19万9372円
- 神奈川県:18万2334円
- 埼玉県:17万4889円
- 千葉県17万3664円
- 京都府:16万8695円
※世帯はすべて2人以上の勤労者世帯 (単身または経営者等は含まず)。
※中央世帯とは、各都道府県ごとに可処分所得の上位40%~60%の世帯。
※基礎支出=「食料費」+「(特掲)家賃+持ち家の帰属家賃」+「光熱水道費」。なお、「持ち家の帰属家賃」は全国消費実態調査で推計。
同資料より、可処分所得から基礎支出を引いた「豊かさ」をみると、東京は42位となっています。
東京は基本的に年収が高い方が多いものの、基礎支出、特に家賃などの生活費は高いでしょう。
また生命保険文化センターによれば、私立中学に通う割合は東京都が1位で25.5%となっており、東京都では生活費だけでなく教育費も高くなる傾向にあると考えられます。
所得が多くても生活費や教育費などがかかり、結果的にお金が貯まらないというご家庭もあるでしょう。
高所得貧乏になる理由2.収入が増えるとともに支出も増えている
「パーキンソンの法則」をご存じでしょうか。1958年、イギリスの歴史学者・政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した『パーキンソンの法則』の第2法則では、人は「支出の額は収入の額に達するまで膨張する」と説かれています。
年収が上がっても、その分だけ支出を増やしてしまうとなかなか貯蓄ができません。
たとえば年収が上がったからといって、教育費や住居費、車、洋服など年収に見合ったものを手に入れようとすると支出が増え、結果的に高所得貧乏になる場合もあります。
特に年収1000万円以上となればそれに合った暮らしをと考える方もいると思いますが、お金を使うところと抑えるところを考えるべきでしょう。