生涯未婚率の上昇が話題ですが、平成27年国勢調査によれば、配偶者がいる人の割合が未婚の割合を上回るのは、男女ともに30~34歳以上の年齢階級です。また、平成24年度国土交通白書においては、20代・30代男性の場合は年収が600万円までの区分では年収が上がれば上がるほど既婚率が高くなるというデータが示されています。
一方、お金の面が気になってなかなか結婚に踏み切れないという年収600万円、30代男性も存在するようです。年収600万円といえば、平成27年度分の「民間給与実態統計調査」で示されている男性サラリーマンの平均年収(521万円)を上回る年収です。それにも関わらず、結婚願望があるのに結婚にしり込みしてしまう「お金の悩み」とはどのようなものなのでしょうか?
結婚するための貯金がない
A氏(40代・既婚)は弟のB氏が結婚しないことが気になっています。B氏は愛知県に住むサラリーマンで、現在30歳代後半。スポーツマンタイプで愛嬌があり、友達も多く、いわゆる「いい奴」という表現がぴったりな印象だといいます。しかし、結婚願望はあるようなのにB氏が結婚するそぶりはありません。A氏がなぜなのかとB氏本人に聞いてみると、いろいろな理由を並べるものの、最後にはいつも「結婚をするための貯金がない」と口にするのだそうです。
そのB氏にこれまで一度も色恋沙汰がなかったわけではありません。実は一度、婚約までした女性がいたのですが、最終的には結婚にまでは至りませんでした。B氏は両親にはその理由を詳細に語っていないようですが「最終的には貯金がないということと、結婚する相手には専業主婦になってほしいという願望があって、そのことを考えると現在の自分の収入ではやっていけない、ということのようだ」とA氏は話します。
ちなみにB氏は婚約破棄後に転職も経験し、現在の年収は600万円程度のようです。転職以前は500万円程度だったといいますから、約100万円年収がアップしたことになります。また、一人暮らしではあるものの近くの実家でことあるごとに食事もしています。こうした環境から「貯金をためる」という目的も実現できたのかと思いきや、そうはなっていないのが現実のようです。
「貯金がない」は本当に結婚の障壁なのか
B氏の月収から推測すれば、手取りから携帯電話など毎月必要となる経費などの支払いをしても、かなりの額が貯蓄に回せそうです。しかし、B氏は職種が営業で外回りが多く、どうしても外食が多くなることや、また多少は自分の趣味や娯楽に対する消費もしないと生きていけない、ということを理由に、あまり貯金をできていないようなのです。
そんなB氏を見ているA氏は「まずは結婚して、共働きで貯金をためた方がはやいのではないか」と考えています。
A氏自身は、結婚後、共働きで貯金をためたのだそうです。そうした経験もあって、A氏は一人で貯金を頑張るよりは結婚して共通の生活費を決めてから二人で貯金をする方が早い、という考えの持ち主なのです。「それに今時、結婚相手に専業主婦でいることを求めるのもどうなのでしょうか。結婚後に家族が増えた場合のことを考えると選択肢を狭めるのは得策ではないと思うのですが」(A氏)。
最近、A氏や両親は、年収が上がった一方で忙しくて相手を見つけにくいのであればと、B氏に結婚相談所への登録をすすめていますが、B氏はあまり気乗りしない様子だといいます。「一人でも生活するのに余裕がないのに、結婚しても先が見えない。そんな状況では、結婚相手にも悪い」というのが理由のようです。
まとめ
人によって生き方はさまざまであり、結婚しないことは決して悪いことではありません。それは大前提にしても、結婚したいという人の中でも、結婚に向けての考え方はさまざまなようです。
「結婚をするために貯金は必要」というB氏と、「貯金など後回しでとりあえず結婚してしまうのがよい」とA氏。みなさんは、どちらに共感しますか。
LIMO編集部