「老後資金2000万円問題」が話題になるなど、老後生活に対する不安が高まっています。

さらに帝国データバンクによると、値上げ品目数は2023年4月で約5000品目、5月以降も4000品目にのぼるとされています。

今後も物価高が進めば、不足する老後資金は2000万円以上になる可能性も高まります。

老後資金の必要額は家庭によって異なりますが、一般的にいくら貯めれば大丈夫なのでしょうか。

この記事では、70歳代で貯蓄4000万円以上ある世帯の割合と50歳代から始める老後対策について解説します。

安心して老後を送るための準備に役立ててください。

70歳以上の貯蓄額はいくらか

定年後も仕事を続ける人が増え、60歳代後半でも約半分の人が現役で仕事をする時代になりました。

70歳以降を老後と考えると、70歳代の貯蓄額の現状が気になるところです。

70歳以上で「貯蓄4000万円以上」の割合は17.1%

総務省の2021年度家計調査によると、貯蓄4000万円以上の世帯(2人以上世帯)の割合は70歳以上世帯の17.1%を占めます。

また、貯蓄2000万円以上の世帯の割合も40%を超えています。

70歳以上の貯蓄額の平均は2417万円

同調査によると、70歳以上の世帯の貯蓄額の平均は2417万円です。

2000万円を大幅に上回っているので全体として老後の準備が進んでいるように見えますが、必ずしもそうではありません。

出所:総務省「家計調査・貯蓄・負債編・二人以上の世帯・詳細結果表」をもとに筆者作成

 

分布を見る限り、貯蓄が500万円以下の世帯が全体の2割以上、1000万円以下の世帯が4割近くもあるのが現状です。