フェムテックに関する福利厚生があっても利用しにくいのが現状?
厚生労働省の「令和2年度雇用均等基本調査」では、生理休暇を申請した人の女性労働者の割合は0.9%であり、ほとんどの人は生理休暇を申請してないことが分かります。
これは前述した「制度を知らない人がいる」ことも申請率が低い要因ですが、フェムテックに関する福利厚生制度はあることを知っていても、利用できていない現状もあります。
株式会社宝島社の調査において「フェムテックに関する福利厚生があるのに利用したことがない方」にその理由を調査したところ、下記の意見が挙げられました。
- まわりの目が気になる、上司の理解がない
- 無給なので、体調が悪いなら有給休暇を使う
- 上司に生理を申告してまで無給(生理休暇)で休まない
- 男性社員が多く、使いにくい、相談しにくい(話しづらい)
- やはり取りづらいイメージがある。誰も取っている人を見たことがなく、報告する上司も男性なので言いづらい
フェムテックに関する福利厚生はあるものの、その制度に対して理解が薄かったり、デリケートな話題ゆえになかなか申告しにくいといった課題があるようです。
また、労働基準法では生理休暇中を有給・無給とするかを定めていないため、生理休暇の場合は無給とする企業も多いとうかがえます。
実際に、厚生労働省の同調査では、企業の67.3%が生理休暇を無給として扱っています。
このような背景から、生理休暇といったフェムテックの福利厚生を活用しにくく、「申請をするだけ損」といった認識が強くなっているのではないかと考えられます。
今後の日本においてはフェムテックの福利厚生の認知度だけでなく、実際に女性がその制度を利用しやすいようにするための環境作りが大切になるでしょう。