2. 60~90歳以上「厚生年金と国民年金」平均受給額はいくらか

次のグラフは国民年金と厚生年金の受給者数と年金月額を年代別にまとめたものです。

棒グラフが年代別の年金月額で、折れ線グラフが年代別の受給人数を示しています。

出所:厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参照し、筆者作成

※厚生年金は国民年金を含む

60歳から64歳の年代は年金月額が低くなっています。これは年金制度が変更となり、給付年齢が60歳から65歳へ引き上げられたことが影響しています。65歳未満で年金受給を始めると支給金額が割り引かれます。

また、年代別では高齢になるほど平均受給額が高い傾向がみられます。国民年金は65歳以上で5万円台、厚生年金は65~79歳までは14万円台、80~84歳は15万円台、85歳以上は16万円台です。

これは日本の年金制度が賦課(ふか)方式で成り立っているからです。

賦課方式とは世代を超えて支える制度で、現役世代が納めた保険料が年金受給者の年金となって支払われている方式です。

賦課方式の場合は納められる保険料がそのときの給与水準に応じたものであるため、給付に関してもその時々の経済状況に対応しやすいというメリットがあります。

一方で現役世代と年金受給世代の比率が変わると、保険料負担の増加や年金の削減が必要となります。

今の80歳代に対しては年金の原資を生み出す現役世代の人数が多く、受給額に反映されています。