先週の世界株式市場の動き

先進国市場を中心に総じて下落

先週(2017年8月7日~11日)の世界の株式市場は、先進国市場を中心に総じて下落となりました。

  • 日経平均株価(日本)  ▲1.1%下落
  • TOPIX(日本)  ▲0.9%下落
  • NYダウ(米国)  ▲1.1%下落
  • Nasdaq指数(米国)  ▲1.5%下落
  • FTSE100(英国)  ▲2.7%下落
  • DAX(ドイツ)  ▲2.3%下落
  • 上海総合指数(中国)  ▲1.6%下落
  • ボベスパ指数(ブラジル)  +0.7%上昇

注:いずれも先週末と先々週末の終値比較

米国と北朝鮮との軍事対立が一層の激化

主要株式市場が下落となった最大の要因は、米国と北朝鮮の間で政治的な緊張感が急速に高まり、改めて地政学リスクが認識されたためです。

こうしたリスク・オフモードの高まりに加え、この時期は元々、夏期休暇などで市場参加者が少ないため、薄商いによる高いボラティリティもあって、下落率が大きくなった株式市場が、とりわけ欧州で散見されました。

一方、北朝鮮の地政学リスクが小さいと見られるブラジル等一部の新興国市場は、株価の大幅下落は起きずに、概ね堅調に推移しました。

週明け14日(月)の日本株は大幅下落のスタートに?

なお、日本の株式市場の下落率がさほど大きくなっていないのは、アジア市場が大幅下落となった11日(金曜日)が祝日のため、10日(木曜日)が週末となったためです。

ちなみに、10日の夜間取引では日経平均株価先物は前日比約▲2%下落の大幅安となっています。週明け14日(月曜日)の日本株式市場は大幅安でスタートすることになりそうです。

今週の世界株式市場の注目点

米朝間の政治的緊張はもう一段高まるのか?

今週(8月14日~18日)も、北朝鮮の軍事威嚇を始めとする地政学リスクの高まりが意識される展開が続きそうです。

先週末には、米中首脳会談(電話会談)が行われ、フランス大統領やドイツ首相による自制要請発言も出るなど、事態の鎮静化に向けた動きが出始めています。しかし、一方では、米国が中国の知的財産権の侵害を調査するなど、北朝鮮の一連の軍事威嚇に絡んだ懸念材料も出ています。

現時点では、すぐに米朝の軍事衝突につながる可能性は低いと思われますが、中国の動きと合わせて、目が離せません。こお米朝間の緊張がさらに高まれば、世界の株式市場がさらに下値を模索する可能性は十分あると考えられます。

重要なイベント予定はないが株価の変動に注意

今週予定されている株式市場にインパクトを与えそうな主な予定は以下です。

  • 8月15日:7月小売売上高実績発表(米国)
  • 8月17日:7月貿易統計実績発表(日本)

今週は世界各国もまだ夏季休暇であるため、大きな政治イベントや重要な経済指標の発表の予定はありません。ただ、予定されている上記の経済指標が、想定を大きく下回るような悪い数値となった場合、リスク・オフモードになっている株式市場が過剰反応することが考えられます。

株式市場のボラティリティが高くなっていることに十分注意する必要があります。

LIMO編集部