このコラムでは某商社NY本店に勤務するビジネス書大好き人間が、日々通う書店のビジネス書コーナーで感じたことをお話ししていきます。

こんにちは! 8月のNYは気温が30度を超える日が何日もあるのでとても暑いです……。でも日本よりも湿度が低いので、そこまで不快感はありません。この時期、休日はセントラルパークの木陰でのんびりお昼寝するのが私のお気に入りの過ごし方です。

それでは、今月のランキングを見ていきましょう。

バーンズ&ノーブル(BARNES & NOBLE)の7月のビジネス書売れ筋ランキング

1. StrengthsFinder 2.0/(邦題)さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0(日本経済新聞出版社)/著:トム・ラス

2. Since Yesterday: The 1930's in America, September 3, 1929 - September 3, 1939/(邦題)シンス・イエスタデイ:1930年代・アメリカ(筑摩書房)/著:フレデリック・ルイス・アレン

3. Emotional Intelligence 2.0/(仮題)こころの知能指数2.0/著:パトリック・レンシオーニ

4. Extra Virginity: The Sublime and Scandalous World of Olive Oil/(邦題)エキストラバージンの嘘と真実 スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界(日経BP社)/著:トム・ミューラー

5. Leadership and Self-Deception: Getting out of the Box/(邦題)自分の小さな「箱」から脱出する方法 (大和書房)/著:アービンジャー・インスティチュート

6. Extreme Ownership: How U.S. Navy SEALs Lead and Win/(仮題)エクストリーム・オーナーシップ:どのようにアメリカ海軍特殊部隊が先頭に立ち勝利してきたか/著:ジョッコ・ウィリンク

7. Good to Great: Why Some Companies Make the Leap...and Others Don't/(邦題)ビジョナリー・カンパニー 2 − 飛躍の法則(日経BP社)/著:ジェームズ・C・コリンズ

8. The Chickenshit Club: Why the Justice Department Fails to Prosecute Executives/(仮題)腰抜け:何故司法省は役員たちを起訴できないのか/著:ジェシー・エイシンガー

9. The Little Book of Big Dividends: A Safe Formula for Guaranteed Returns/(仮題)大きな配当金のための本:保証された収益のための安全な公式/著:チャールズ・B・カールソン

10. The Five Dysfunctions of a Team: A Leadership Fable/(邦題)あなたのチームは、機能してますか?(翔泳社)/著:パトリック・レンシオーニ

※順位/タイトル/邦題(翻訳書がないものは訳)

米国も改革と失速を繰り返してきた

まずは、2位にランクインした『Since Yesterday: The 1930's in America, September 3, 1929 - September 3, 1939』。1930年代のアメリカ社会をルポルタージュ形式で描いた作品で、同じく1920年代のアメリカを描いた前作の続編です。世界恐慌を経て、改革と失速を繰り返しながら第二次世界大戦参戦へと向かっていったアメリカを克明に描写した好著です。政治状況だけでなく、ファッション、音楽などの文化も描かれているので、アメリカ社会についての理解を深めることができます。日本では『シンス・イエスタデイ』というタイトルで発売されています。

ウォール街の重役たちがなぜ起訴されなかったのか

8位にランクインしたのは『The Chickenshit Club: Why the Justice Department Fails to Prosecute Executives』。作者は、アメリカにおいて報道部門での活躍を認められた人に贈られるピュリツァー賞を受賞したジャーナリスト、ジェシー・エインガーです。2008年の世界的な金融危機を引き起こしたウォール街の重役たちがなぜ起訴されなかったのか? という謎を徹底的な取材によって解き明かしていきます。金融危機の裏に隠されたアメリカ司法省の臆病さと強欲さに驚くこと請け合いです。

配当金こそが安全で安定した収益になる

最後に紹介するのは9位の『The Little Book of Big Dividends: A Safe Formula for Guaranteed Returns』。作者のチャールズ・B・カールソンは投資会社のCEOを務めており、この本は彼の投資に関する数多くの著作のうちの一つです。彼は配当金こそが安全で安定した収益になると主張しています。そして配当金を効率的に得るために、投資に潜む危険や、投資タイミングの判断方法などを解説しています。投資について深く学びたい方におすすめです。

まとめにかえて

今月は経済に関する本が多くランクインしていましたね。次回はどんな本が登場するのでしょうか。それでは、次回のランキングをお楽しみに!

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