4. 年金額を増やす方法2つ
ひとり20万円以上の年金を手にする人が少ないことや、年金の平均受給額をみて、老後の生活が不安に感じる場合には年金を増やすことを考えましょう。年金の受給額は工夫次第で増やすことができます。
これから年金を増やすためにできることを2つ紹介します。
4.1 年金額を増やす方法1.未納や滞納を解消する
国民年金は原則20歳から60歳までの40年間の保険料の納付をした場合、満額受給できます。
年金保険料の納付にもれや滞納があると、その分受け取る年金額も減ってしまいます。追納することで受け取れる年金額を増やすことができます。
追納は国民年金保険料の支払い免除や猶予を活けていれば10年前までの支払いができます。免除や猶予を受けていなければ、2年前までの分を支払うことができます。詳しくは最寄りの年金事務所などへ聞いてみましょう。
4.2 年金額を増やす方法2.繰下げ受給を選択する
繰下げ受給とは、本来65歳から受給できる年金の受給開始を後ろ倒しにして受け取ることです。月単位で遅らせることが可能で、1カ月の繰り下げにつき0.7%の年金が上乗せされて受け取ることができる制度です。
たとえば年金受給を70歳0カ月からはじめる場合は42%になり、繰下げは最大75歳まで可能ですがその場合は84%増やすことができます。
仮に厚生年金の平均受給月額である14万円が本来の受給額とすると、70歳まで繰り下げることで受給月額19万8800円に、75歳まで繰り下げれば25万7600円になります。
5. 長い老後に備えてまずは年金受給額の確認を
健康への意識の高まりや医療の発達によって、今後も日本の高齢化は進んでいくと思われます。
それだけに長くなると予測される老後生活の経済面を安定させるために、年金の受給額がどれほどになるか、また年金額を増やすために今からできることを検討してみることも大切だと思います。
参考資料
- 厚生労働省「R4百歳プレスリリース」
- 厚生労働省「いっしょに検証! 公的年金~財政検証結果から読み解く年金の将来~」
- 厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
高橋 禎美