3. 厚生年金が都道府県間で平均受給額に差が出るワケ

都道府県間で厚生年金の受給額に差が出るのはなぜでしょうか。冒頭でも触れたように、厚生年金の受給額は、現役時代の年収や厚生年金の加入期間によって異なります。

現役時代の年収が高額なほど受給額も高額になることが多いことから、都道府県間の平均年収の差が厚生年金受給額の差に関係しているのではないかと考えられます。

都道府県別の平均年収と厚生年金受給額の関係性を確認するため、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」より、令和3年度における都道府県別の平均賃金の上位10件と、下位10件をまとめてみました。

【平均賃金の上位10都道府県】

出所:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(都道府県別) をもとに筆者作成

平均賃金の上位10都道府県は上記の通りです。

なお、厚生年金の平均受給額ランキング10位にランクインしている都道府県を(○○県)とグレーで表示しています。

照らし合わせると、年収の高い都道府県と厚生年金受給額の高い都道府県の10件中8件が重複しており、両者は密接に関係していることがわかります。

同様に、平均賃金の下位10都道府県も見てみましょう。こちらも、厚生年金受給額の低い10の都道府県を(○○県)とグレーで示してあります。

【平均賃金の下位10都道府県】

出所:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(都道府県別) をもとに筆者作成

年収の低い都道府県と厚生年金受給額の低い都道府県の10件中8件が重複していることから、平均年収が低いほど厚生年金受給額も低い傾向があることがわかります。