世界の完成車メーカーが電気自動車に注力する中、国内勢では当初から電気自動車(EV)に積極的だった日産。2018年3月期第1四半期(Q1)決算はどうだったのでしょうか。今回は決算を中心に振り返ります。
決算はどうだったのか
出足は少なからず期待外れの印象です。Q1実績は、売上高が対前年同期比+4%増、営業利益が同▲13%減、親会社株主に帰属する四半期純利益が同▲1%減となりました。
円高のマイナス影響は比較的軽微だったものの、マーケティング販売費用が大幅増加となった影響を補えず、営業利益は2桁の減益を余儀なくされました。
元々、上期の会社予想は非公表であるため、進捗度合を計ることはできませんが、やや期待外れの感は拭えません。
2018年3月期の会社予想は変更なし。営業利益は対前期比▲8%減、親会社株主に帰属する当期純利益が同▲19%減。Q1が終わっただけでは判断が難しいですが、会社予想を大幅に上回ることは少し難しくなったという印象は残ります。
今後はどこに注目すべきか
今回のQ1決算で大きなマイナス要因となったマーケティング販売費用の大幅増加が、Q1だけの一過性の事象なのか、Q2(7-9月期)以降も続く影響なのか投信1編集部では注視したいとおもいます。
また、社長を退任したゴーン氏(現在も日産自動車の取締役会長)が、三菱自動車の再生に掛かりっきりであるため、Q2以降も収益悪化が続く場合は、現経営陣の手腕が懸念される可能性が残ります。
LIMO編集部