【女性の年金月額】厚生年金の受給金額はいくら?
同資料より厚生年金の受給額事情についても見てみましょう。
女性の平均月額:10万4686円
以下は受給金額ごとの人数分布です。
- 受給人数の総数:535万2232人
- ~1万円未満:2万9276人(0.5%)
- 1万円~2万円未満:6963人(0.1%)
- 2万円~3万円未満:5万519人(0.9%)
- 3万円~4万円未満:8万9784人(1.6%)
- 4万円~5万円未満:7万9430人(1.4%)
- 5万円~6万円未満:9万3183人(1.7%)
- 6万円~7万円未満:23万7418人(4.4%)
- 7万円~8万円未満:44万2558人(8.2%)
- 8万円~9万円未満:68万666人(12.7%)
- 9万円~10万円未満:85万1331人(15.9%)
- 10万円~11万円未満:77万7047人(14.5%)
- 11万円~12万円未満:59万523人(11.0%)
- 12万円~13万円未満:41万5686人(7.7%)
- 13万円~14万円未満:29万4029人(5.4%)
- 14万円~15万円未満:21万3811人(3.9%)
- 15万円~16万円未満:15万5836人(2.9%)
- 16万円~17万円未満:11万2272人(2.0%)
- 17万円~18万円未満:7万6925人(1.4%)
- 18万円~19万円未満:5万2191人(0.9%)
- 19万円~20万円未満:3万7091人(0.6%)
- 20万円~21万円未満:2万4351人(0.4%)
- 21万円~22万円未満:1万6322人(0.3%)
- 22万円~23万円未満:1万444人(0.1%)
- 23万円~24万円未満:6549人(0.1%)
- 24万円~25万円未満:3719人(0.06%)
- 25万円以上~:4308人(0.08%)
上記データによれば、月額「8万円~12万円未満」の受給権者層が全体の54.1%を占めます。
ただし、この厚生年金については2点気になることがあります。
まず1つ目に、受給者総数自体が535万人と先ほどの国民年金の受給者数1894万人と比べ約4分の1の規模になっている点、そして平均月額は男女で6万円のもの差がある点でしょう。
今の年金受給者世代が若いころは、結婚や出産を機に、女性が退職することが一般的だった時代でした。
採用や昇進においても男女平等とはいえぬ環境下。女性が正規雇用のフルタイムで仕事を続けることは決して簡単ではなかった、といった背景があることは確かでしょう。
厚生年金は、現役時代に収入に応じた保険料を納め、年金加入期間とともに老後の受給額を左右します。「多く稼いだ人」「長く働き続けた人」ほど年金額が高くなるしくみです。
働き方の多様化、そして出産・育児・介護を行う労働者を支援するしくみが整いつつあるいま。今後は厚生年金の「男女差」は小さくなる可能性が高いと言えるでしょう。
まとめにかえて
今回は女性の年金事情について詳しく見てきました。将来受け取る年金は現役時代の働き方に大きく影響を受けます。
家庭の事情や健康状態などにより、ワークライフバランスに悩み、働き方を変えようか迷っている女性は少なくないでしょう。
パート・アルバイトの厚生年金加入対象も拡大されています。ライフスタイルに合う働き方を見つけ、それが老後のゆとりに繋がるものとなったら嬉しいですね。
また、家計の見直しをして生活費のムダを減らす、積立貯金や積立投資でコツコツと資産を増やす、といった地道な努力も大切にしたいものですね。
参考資料
- The Economist“The Economist’s glass-ceiling index” (Mar 6th 2023)
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「パート・アルバイトのみなさまへ~あなたの年金が変わる~大切なお知らせ~」
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厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2022年12月)」
鶴田 綾