将来受給できる老齢年金の金額は、個人によってさまざまです。
特に公務員や会社員だった方が受け取れる厚生年金は、現役時代の収入や加入年金等に左右されるため、個人差が激しいとされています。
そこで頼りになるのがねんきん定期便やねんきんネット。ある程度はこうしたツールを使い、自分の年金目安額を知ることができます。
しかし、ここには盲点があるのです。
実際に振り込まれる金額が記載された「年金振込通知書」を見ると、その少なさにガッカリする人がいます。
年金の仕組みや額面、振込通知書の記載内容を見ていきましょう。
【注目記事】厚生年金の見込みが20万円だった男性。手取りの少なさに愕然としたワケ
1. 【老齢年金】厚生年金と国民年金の仕組みをおさらい
冒頭で触れた「厚生年金」に加え、日本の年金制度には「国民年金(基礎年金)」もあり、下図のように2階建て構造になっています。
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出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成
2階部分の厚生年金に加入できるのは、第2号被保険者である会社員や公務員のみ。
「厚生年金」に加入していた人は、将来「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」が受給できることになります。
自営業や専業主婦などで、一度も厚生年金の加入期間がない場合、国民年金(基礎年金)のみの受給となります。
ねんきん定期便やねんきんネットなどで、現時点での見込額を確認したことがある方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際に振り込まれる金額は少しずれてきます。「年金振込通知書」の記載内容を見ていきましょう。
2. 年金振込通知書とは?いつ送られる?
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出所:日本年金機構「通知書の見方を調べる」
年金振込通知書とは、日本年金機構から送付される通知書のことで、実際に口座に振り込まれる年金額が印字されています。
年金額改定通知書と一体になったものもあります。
基本的には毎年6月上旬に、1年分の「年金支払額」等が記載されたものが送付されます。
ただし、年金振込額や受取金融機関に変更があった方、また紛失して再送の手続きをした方には6月以外にも送付され、この場合の送付目安日は振込月の上旬頃です。
3. 年金振込通知書に記載される内容
ここでは、年金振込通知書の詳しい記載内容を確認しましょう。
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出所:日本年金機構「年金振込通知書」
3.1(1)年金支払額
1回に支払われる年金額(控除前)のことです。年金は2ヵ月分まとめて支払われるため、2ヵ月の合計額となります。
3.2(2)介護保険料額
年金から天引きされる介護保険料額が記載されます。
3.3(3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)※
年金から天引きされる後期高齢者医療保険料や国民健康保険料(税)が記載されます。天引き対象でない場合は記載がありません。
3.4(4)所得税額および復興特別所得税額
年金から天引きされる所得税額および復興特別所得税額が記載されます。具体的には、社会保険料と各種控除額(扶養控除や障害者控除など)を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額となります。
3.5(5)個人住民税額
年金から天引きされる個人住民税が記載されます。
3.6(6)控除後振込額
年金から天引きされる上記の金額を差し引いた結果、実際に銀行等に振り込まれる金額が記載されます。
※8月以降の額は未定のため、予定額として6月の額が記載されています。決定額は変わることもあるため、市区町村から送付される通知書で確認することが必要です。
4. 厚生年金と国民年金の額面は月額平均でいくらか
参考までに、厚生年金や国民年金の2021年度末の平均月額も見ていきましょう。厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から抽出します。
4.1 厚生年金の平均月額
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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
全体:14万3965円
- 男子:16万3380円
- 女子:10万4686円
※国民年金の月額を含む
4.2 国民年金の平均月額
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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
〈全体〉平均年金月額:5万6368円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9013円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4346円
またグラフを見る限り、やはり国民年金より厚生年金の個人差が大きいとわかります。
厚生年金や国民年金から「天引きされるお金」は、こうした年金額やその他の所得、家族構成、居住地等によっても変わるため、一概にはいえません。
たとえば八王子市に住む75歳の一人暮らし男性が、平均並みの「月額15万円」を受給するとしましょう。
この場合、所得税として4623円、住民税として1万6500円、介護保険料として7万9400円、保険料として約4万8800が天引きされます。
年間合計で約15万円が、年金から天引きされるということです。
給与のように天引きされるお金があることを知っておくことが重要です。
5. 老後資金計画は余裕を持って
将来に向け、まずはねんきん定期便やねんきんネットを活用して見込額を確認してみましょう。
この見込額は額面なので、振込額はもっと少なくなると意識することが大切です。老後になってからも税金や保険料等の支払いは続きます。
老後の収支を考えたとき、年金だけでは不足する部分について、余裕をもって計画・準備する必要があるでしょう。
今は、銀行にお金を預けていてもなかなか増えない時代です。そのため、資産運用や保険などもうまく取り入れて、長期で資産を育てていきたいですね。
参考資料
太田 彩子
