貯蓄3000万円あれば老後は安心か?

平均値や中央値を大幅に上回る3000万円以上の貯蓄があれば老後生活は安泰のように感じられますが、本当にそうでしょうか。

老後の収入と支出によっては必ずしも安心できません。

たとえば、夫婦で自営している世帯の年金額(40年間すべて保険料を納付)は夫婦合計で月13万円くらいです。

生活費が30万円、年金以外に収入がなければ毎月17万円、年間204万円の貯蓄を取り崩さなければならないため、貯蓄が3000万円ならば15年でなくなります。

老後の必要資金は、次の通り計算します。

  • 必要資金=(毎月の収入‐毎月の支出)×生存期間(月数)

収入が年金のみで夫婦合計の年金額が月20万円、生活費が30万円、現在70歳で90歳まで生存すると仮定すると、老後の必要資金は次の通りです。

  • 必要資金=(20万円‐30万円)×20年×12カ月=2400万円

前提条件によって必要資金は大きく異なります。

大雑把にでも自分で前提条件を設定して、必要資金を概算してみましょう。

70歳の貯蓄事情から考える老後生活

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金融広報中央委員会の調査では、70歳代で貯蓄3000万円以上ある世帯の割合は17.6%(金融資産のない世帯を除くと22.5%)です。

高額の資産を保有しているといえますが、老後の収入と支出次第で老後資金が足りないこともあるため、必要資金を概算してみましょう。

参考資料

西岡 秀泰