コンビニ飽和か? 伸び悩む売り上げ

2017年7月20日に日本フランチャイズチェーン協会が発表した6月のコンビニエンスストア売上高(既存店ベース、速報値)は、対前年同月比▲0.1%減という結果でした。天候不順で客数が鈍り4カ月ぶりのマイナスとなっています。

ちなみに、2017年1月以来の月次推移は次の通りです。

1月 +0.1%増
2月 ▲1.7%減
3月 +0.01%増
4月 +0.3%増
5月 +1.0%増
6月 ▲0.1%減

店舗数も増えていますので既存店売上高が伸びにくい面があることは否めませんが、一進一退の推移と言えるのではないでしょうか。

一人気を吐くセブンが目立つ

しかし、個社別に見るとセブン-イレブン・ジャパンの強さが際立ちます。

同社は2017年6月まで、59カ月連続で既存店売上高が前年同月を上回っています。約5年間この記録を続けるのは、なかなか難しいことだと思います。

今年に入りファミリマートは1月、3月、4月、6月に、サークルKサンクスは1月から6月まで連続で、そしてローソンでは3月と6月に対前年同月の既存店売上高がマイナスになりました。

単月の上げ下げであれば一過性要因が考えられますが、セブンばかりが連続記録を更新しているのは、何か構造的な要因が他社との比較において考えられるのではないでしょうか。

セブンはなぜ集客できるのか

セブンの強みと言えば、顧客を飽きさせない商品力が最大の武器ではないかと思います。それもいわゆるファーストフードばかりではなく、さまざまな加工食品にその強みが活かされており、今ではスーパーの代替をするまでになりました。

しかし、商品力という点では他社もかなり力をつけてきています。おにぎり、弁当、サンドイッチを比べると、現在では大手3社に決定的な味の差というのはなくなったと思います。

商品力が拮抗し始めているなかでセブンだけがなぜ強いのか、もう少し違う要因がありそうです。

わが道を行くからこそ勝ち切れる!?

実は、セブンが強いもう1つの有力な要因は、業界再編から距離を置き、ひたすら内部成長に経営資源を集中していることではないかと考えられます。

この数年でコンビニ業界はほぼ3社体制に集約されました。ファミリーマートはユニーグループホールディングスと経営統合し、現在サークルKサンクスとの本格統合を進めています。そもそもサークルKサンクスも合併してできた会社ですし、エーエム・ピーエム・ジャパンも買収によって組み込んだ経緯があります。

また、ローソンもセーブオン、スリーエフ、ポプラ、あるいはサニーマートの店舗などを実質的に傘下に収めて基盤を強化してきました。

これに対してセブンは業界再編において積極的に振る舞うことはなく、愚直なまでに内部成長を追求しています。セブンは自ら最適と考える立地と店舗フォーマットを純粋に追求してきたと言えるでしょう。同社の強さの源泉はここにあるのかもしれません。

LIMO編集部