4. ふるさと納税と住宅ローン控除併用時の影響

ではふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合、どのようなケースに気を付けなければならないのでしょうか?

4.1 ワンストップ特例制度を利用する場合は原則問題なし

ワンストップ特例制度を利用した場合、ふるさと納税分の控除は全額住民税からのみ控除されます。

一方住宅ローン控除は原則所得税から控除されるため、お互いの控除額が影響し合うことはないのが一般的です。

ただし住宅ローン控除が所得税から控除しきれなかった場合、住民税からも控除されます。

住民税からの住宅ローン控除は「前年度課税総所得金額×7%(限度額13万6,500円)」が上限です。この上限を超えなければ満額住宅ローン控除を受けられることになるので、事前にシミュレーションしてみるとよいでしょう。

4.2 ふるさと納税の確定申告時に住宅ローン控除を満額受けられないケースが・・・・!

ふるさと納税を確定申告した場合は、所得税と住民税両方から控除されます。しかも所得税からの控除は、ふるさと納税分の控除が先で住宅ローン控除は後となるのです。

つまり所得税からふるさと納税分の控除が差し引かれた後、残りの所得税から住宅ローン控除が引かれることになります。

このとき、所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除分がある場合は、住民税からも控除されます。しかし住民税からの住宅ローン控除には「前年度課税総所得額×7%(限度額13万6,500円)」の上限があるわけです。

この上限を超えてしまうと、満額住宅ローン控除が受けられないことになります。

各ふるさと納税ポータルサイトで住宅ローン控除額を含めたシミュレーションができるサービスがありますので、ぜひ活用してください。

4.3 確定申告時のふるさと納税申告漏れに注意

すでにワンストップ特例制度を使ってふるさと納税を申告したものの「住宅ローン控除1年目だった」「医療費控除の申請が必要だった」など、後々確定申告する場合は要注意です。

ふるさと納税はワンストップ特例制度で申請しているから、他の控除だけを確定申告すればいいと思う方もいるかもしれません。しかしこの場合、優先されるのは確定申告です。

それまでに申請したワンストップ特例制度はすべて「無効」になります。

すでにワンストップ特例制度で申請していたとしても、確定申告書の寄付金控除欄にふるさと納税分の金額を記載し、各自治体が発行する寄付金受領証明書を添付する必要があります。

これがないと、ふるさと納税の申告漏れとなるので注意しましょう。