5. ふるさと納税と住宅ローン控除併用時のシミュレーション

では実際に、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用した場合に満額控除受けれないケースと、満額控除できるケースをシミュレーションしてみましょう。

5.1 確定申告が必要なケース

【年収600万円/夫婦共働き/住宅ローン控除30万円のケース】

所得税 約20万円(年間)
住民税 約31万円(年間)
住宅ローン控除 約30万円(年間)
全額控除されるふるさと納税上限額 約7万7,000円(年間)→うち自己負担2,000円

所得税20万円からまずふるさと納税の控除額7万5,000円を引くと、残り12万5,000円です。

所得税の残り12万5,000円から住宅ローン控除30万円を引くと、17万5,000円が控除しきれないので、住民税から控除することになります。

しかし住民税から控除される住宅ローン控除の上限額は13万6,500円。住宅ローン控除の満額30万円を控除しきれず、3万8500円分住宅ローン控除が低くなってしまうことになります。

5.2 ワンストップ特例制度が使えるケース

【年収600万円/夫婦共働き/住宅ローン控除30万円のケース】

所得税 約20万円(年間)
住民税 約31万円(年間)
住宅ローン控除 約30万円(年間)
全額控除されるふるさと納税上限額 7万7,000円(年間)→うち自己負担2,000円

まず所得税20万円から、住宅ローン控除30万円のうち20万円が控除されます。控除しきれなかった10万円は住民税から控除されることになります。

住民税から控除される住宅ローン控除の上限額13万6,500円以内に収まるので、満額住宅ローン控除が受けられるということです。

住宅ローン控除の他に、さらに住民税からふるさと納税分7万5,000円が控除され、両方満額の控除が受けられることになります。