65歳以上「おひとりさま」月の生活費の不足額は?
では、60歳以降の年金生活で生活費は月いくら必要になるのでしょうか。
2022年7月29日に公表された厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によると、60歳時点の平均余命は男性24.02年、女性29.28年です。
仮に60歳以降に25年生きると仮定して、老後資金を試算します。
総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) 家計の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の実収入が13万5345円、実支出が14万4747円、毎月の不足分は9402円です。
60歳以降に不足する老後資金は以下のとおりです。
9402円×12カ月×25年=282万0600円
60歳時点で約282万円の貯蓄があれば、貯金を取り崩して老後生活が送れると試算できます。
60歳代の貯蓄の中央値300万円を下回るので、貯蓄だけで生活できる世帯は多いかもしれません。
ただし、世帯によってライフスタイルや家計収支が異なるので、上記の試算がすべての世帯に当てはまるわけではありません。収入の多くを占める年金受給額についても、個人差が大きいでしょう。
また、旅行や趣味、病気をしたときや介護費用などは別に用意する必要があります。
執筆者
LIMO編集部は、LIMO編集長である宮野茉莉子を中心に、経済や資産形成や資産運用といった投資をテーマとし、金融機関勤務経験者である編集者が中心となって情報発信を行っています。加えて「くらしとお金」に関係する旅行、園芸、ショッピングや外食といった身近なテーマを各種専門家である編集者がわかりやすく解説します。LIMO編集部のメンバーは、大手金融機関で機関投資家としてファンドマネージャーや証券アナリスト、証券会社やメガバンク、信託銀行で富裕層・準富裕層への資産運用アドバイス担当、調査会社のアナリスト、ファッション誌の編集長、地方自治体職員、ネットメディアの経験者などで構成されています。編集スタッフの金融機関勤務経験年数は延べ47年、正確には565か月となります。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)、第一種外務員(証券外務員一種)、FP2級、AFPなどの資格保有者が複数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。LIMOは株式会社ナビゲータープラットフォームが運営しています(最新更新日:2024年4月22日)。
監修者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。群馬県出身。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
現在は株式会社ナビゲータープラットフォームが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは資産運用や老齢年金、貯蓄、NISA、iDeCo、キャリアなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児の母であり、趣味は執筆・読書、音楽鑑賞、写真、旅行。今の夢はYOASOBIのライブに行くこと。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年4月4日更新)。