2023年2月10日に発表された、株式会社東邦システムサイエンス2023年3月期第3四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社東邦システムサイエンス 代表取締役社長執行役員 小坂友康 氏

目次

小坂友康氏:東邦システムサイエンス代表取締役社長の小坂です。本日は、当社の決算説明のサイトにアクセスいただき、誠にありがとうございます。また、日頃から多大なるご支援、ご協力を賜り、重ねてお礼を申し上げます。それでは早速、2023年3月期第3四半期の決算説明を開始します。

目次はご覧のとおりです。まずはこの度、株主還元施策を拡充することとしましたので、それについてご説明します。その後、第3四半期の決算のご報告、事業拡大に向けた取り組み、そして通期の業績見通しの流れでご説明します。参考資料については別途ご覧ください。

【株主還元施策】期末配当予想の修正(増配)

まずは株主還元についてです。第3四半期の業績が堅調に推移したことを踏まえ、1月の取締役会にて株主還元施策を拡充する決議をしましたので、それについてご説明します。

当社は当期の財務状況をベースに、長期安定的な株主還元、事業拡大のための資金確保などを総合的に勘案し、配当性向としては40パーセント程度を基本に事業を推進しています。

この度、第3四半期の業績が好調であったことから、2023年3月期の期末配当予想において、1株当たり5円増配し、20円とすることを決議しました。これにより、年間配当予想は中間の20円と合わせて40円、配当性向は47.3パーセントとなる見込みです。当社を応援してくださる株主のみなさまの日頃のご支援に、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。

業績ハイライト

続いて、第3四半期の決算の報告です。第3四半期の業績ハイライトは、スライドのチャートのとおりです。売上は前年度よりも8億5,100万円増えて8.1パーセント増、営業利益も1億1,300万円増えて10.7パーセント増となりました。活況な受注環境ということもあり、増収増益で終えることができました。増益の点については、収益性の高いDX案件の受注割合を増やせたこと、持ち帰り開発により生産効率を高められたことなどが要因です。

セグメント別売上高

セグメント別の売上高はご覧のとおりです。ソフトウェア開発の内訳としては、当社の主力領域である金融が8.5パーセント増、非金融が3.8パーセント増となりました。第3四半期においては、金融の基幹系システムの刷新案件や公共系を中心にビジネス変革を図るDX系の案件が大きく伸展しました。情報システムサービスにおいては、モバイル証券向けにオープン系のシステム運用、監視業務を受注したことで、前期比プラス51.4パーセントと大きく伸展しました。

業種別売上高 (ソフトウェア開発)

業種別の売上高はご覧のとおりです。証券、生命保険、非金融のその他が前期比で減少しました。一方で、損害保険、金融のその他が伸展し、結果として、全社売上を伸ばすことができました。

業種別売上分析(ソフトウェア開発)

業種別の売上増減分析です。銀行は新規に受注した資金決済系プロジェクトが拡大しました。証券、生命保険については、基幹系システムの刷新がひと区切りとなりました。損害保険は継続している大手損害保険会社さまの基幹系システムの統合案件、刷新案件により売上が拡大しました。金融のその他は、カード・クレジットや共済システムの刷新が盛んで、拡大基調となっています。

非金融では、通信にてアジャイル開発、クラウド構築、データ分析といったDX案件が活況な状況です。非金融のその他では、医療福祉系の大型案件がひと区切りとなったものの、大規模な公共系のDX案件が受注でき、売上規模を維持できました。

営業利益分析

続いて、営業利益の分析です。前年度からの増減としてご説明します。まず、前年度よりも売上が8億5,000万円増えましたので、その増収効果で1億5,700万円の増益となりました。

一方で、今期は人的投資として社員の給与を大幅に上げましたので、生産効率を高めてきたものの、ほんのわずかではありますが、売上利益率が低下しました。また、販管費については、採用および教育投資の拡大、フロア増床等を行っており、4,400万円ほど増えています。

以上の結果から、前年度よりも1億1,300万円の増収、増減率としてはプラス10.7パーセントとなりました。

【受注面】注力した取り組み事項

続いて、事業拡大に向けた受注面、生産面での取り組みについてご説明します。まず、受注面での取り組みです。当社において、今期に最も注力した施策はDX開発推進センターの設置です。当部署では、DX開発技術者を相当数プールしており、DX案件の受注規模拡大を実現させています。

また、活況なDX案件の受注にも注力しており、行政手続きのオンライン化やスマホ専業証券システムの開発・保守・運用、そして新規に産業系DXへの参画を図りました。

さらに、DXの推進が活況な官公庁やデジタル庁向けの営業も強化してきました。もちろん、当社のコア領域でもある保険会社向けの統合、マイグレーションについても継続して拡大してきました。

【生産面】注力した取り組み事項

続いて、生産面での取り組みです。まず、DX開発推進センターにおける若手社員の育成強化と開発メンバーの最適配置に最も注力してきました。加えて、中途社員の採用強化、BP(ビジネスパートナー)の増強、プロジェクト監視の強化などを行いました。

また、全社でタスク管理、進捗管理の手法を標準化したり、RPAによる作業の自動化等を行い、業務の効率化を図ってきました。さらに、人事制度を改定し、プロフェッショナルが能力を発揮しやすい環境整備を行ってきました。

業種別 受注残高(ソフトウェア開発)

続いて、通期の業績見通しです。まず、業種別の受注残の状況です。テーマ開発案件が区切りとなる証券・生命保険が若干減少していますが、それ以外の業種はおおむね2桁の伸び率となっています。

銀行は大手のお客さまと今後のDX化推進について協業する運びとなり、受注残が増えました。また、新規に受注した資金決済系の案件についても今後の拡大に期待しています。金融その他では、大規模な共済系システム案件の体制が広がり、受注残が伸びています。

非金融では、通信領域にてDX開発が継続的に伸びていることに加えて、その他の領域では、公共・放送・産業の伸びが顕著です。産業系のお客さまとはこの度、データ分析領域で協業を開始しました。

2023年3月期 通期業績予想(上方修正)

通期の業績予想についてはご覧のとおりです。活況な市場環境ということもあり、通期の業績が計画値を上回る見込みとなりましたので、上方修正します。今後も社員育成を図りながら、優良案件の獲得に努めていきます。

最適なシステムソリューションを提供する高信頼企業!

以上、第3四半期の決算についてご説明しました。お客さまのDXを推進するにあたっては技術力が注目されがちですが、実は業務力がとても大事です。金融業務に強みを持つ当社では、業務資格の取得も義務付けています。

技術だけではなく、業務力も兼ね備えたエンジニアになることで、かたちだけではない、真の意味でお客さまに寄り添い、お客さまに相談していただける技術者集団にしたいと思っています。

この春には67名の新入社員が加わる予定ですので、今後よりパワーアップした姿をお見せできるようにがんばっていきます。

以上をもちまして、2023年3月期第3四半期の決算説明を終了します。ご視聴いただき、誠にありがとうございました。

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