3. 厚生年金はこの10年でいくらまで下がったのか

では、会社員等が加入する厚生年金についてはどうでしょうか。同様に見ていきます。

3.1 〈2011年~2015年〉厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「平成27年度(2015年)厚生年金・国民年金事業の概況」

  • 2011年:14万9334円
  • 2012年:14万8422円
  • 2013年:14万5596円
  • 2014年:14万4886円
  • 2015年:14万5305円

3.2 〈2016年~2020年〉厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」

  • 2016年:14万5638円
  • 2017年:14万4903円
  • 2018年:14万3761円
  • 2019年:14万4268円
  • 2020年:14万4366円

厚生年金に関しては、減少傾向が見られます。10年前に比べて月に約5000円の減少になります。年間で考えると約6万円の減少。大きく減少していると感じられるのではないでしょうか。

直近データでは、国民年金(老齢基礎年金)の平均月額が5万6252円、厚生年金(老齢基礎年金を含む)の平均月額が14万4366円です。

この年金額で老後の生活費はまかなえるのでしょうか。総務省の「家計調査報告(2021年)」によると、65歳以上の無職単身世帯の生活費は月々14万4747円とされています。

老後は質素に暮せば良いと考える方もいますが、老後の生活には、現役世代に必要でなかった医療費や介護費用が加わります。賃貸の方は家賃が継続して必要になりますし、持ち家の方は修繕費用が負担になる時期でしょう。

どれも暮らしていくために必要であり、準備しておかなければならない費用です。

国民年金だけでなく、手厚いと言われる厚生年金でさえ、平均の生活費には届いていないため、老後資金の準備は誰しもが必要と言えるでしょう。