まだまだ寒い時期が続いていますが、時には暖かい日もあり、春を感じられる時期になりました。
さて、今回は「おひとりの老後までの貯蓄」についてです。
2023年2月3日、金融広報中央委員会より「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」が発表されました。
調査からはあらゆる年代の貯蓄事情がわかりますが、今回は「60歳代」にフォーカスをあててみます。
老後を豊かに暮らすために、どうしていけば良いのか考えたいと思います。
60歳代「貯蓄」の厳しい現状
60歳代のひとり暮らしの現状を考えてみましょう。
貯蓄については、老後までにしっかり貯蓄の準備している方もいれば、準備できなかった方も一定数います。
まずは最新のデータから確認してみましょう。
2022年の最新データを確認してみると、3000万円以上の金融資産を持っている方が16.9%いる反面、金融資産を持っていないという方も28.5%と、かなりの差があります。
全体でみると単身世帯の平均保有額は1388万円ですが、中央値をみると300万円となっています。
多くの方はたくさんの金融資産を準備していますが、全く準備できなかった方も多くいます。
全体を通してみても、多く持っているとは言えない状況です。
私もFPとして多くの相談を受けていますが、60歳代はまだまだ元気な世代なので働いている方も多く、「60歳代前半は働き、65歳になり公的年金を受け取れる時期まで頑張る」と言われる方は多いと感じます。
先ほどの60歳代の貯蓄額の中央値で考えると、生活できない金額ではないのですが、やはり300万円は少なく感じます。
例えば、収入がなく月額25万円の支出とすると、12ヶ月で無くなってしまいます。
全ての方がそうではないと思いますが、公的年金の支給まで収入がない状態では、暮らしていけないという現状もあります。