厚生労働省は1月20日、令和5年度(2023年度)の公的年金額の引き上げ決定を公表しました。
年金額引き上げはありがたいことですが、どれくらい引き上げられたのか、そもそもいまの高齢者が月額平均いくら公的年金を受け取っているのか、気になるところです。
そこで今回は、国民年金・厚生年金の最新版の受給額を確認するとともに、今回公表された年金の引き上げ幅についてもみていきます。
【注目記事】60歳代「2000万円以上もっている」本当の割合とは?
1. 公的年金制度のしくみを確認
年金制度はわたしたちの老後の生活を支える重要な制度です。まずはそのしくみの基本を確認しましょう。
日本の年金制度は「2階建て」といわれており、国民年金と厚生年金の2種類で構成されています。それぞれの特徴は以下の通りです。
1.1 国民年金(1階部分)
- 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
- 保険料:一律(年度ごとに見直しが行われます)
- 年金額:満額79万5000円(※令和5年度の年額)✕調整率(480カ月に未納期間がある場合は減額されます。)
1.2 厚生年金(2階部分)
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
- 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せで支給)
就業形態などによって加入する年金種類が異なるため、受け取る年金には個人差が出ます。厚生年金に加入している方の年金額は、国民年金のみを受け取る場合よりも手厚くなるのが一般的です。