7月10日、日経平均株価の終値が先週末比で+0.76%高となる中、KDDI(9433)の終値は同▲2.7%(▲80.5円)安の2,909円で引けた。

下落のきっかけは週末に観測記事が報道され、10日午前に正式発表になったauの新料金プランだ。

たとえば、スーパーカケホ、データ定額1GB、インターネット接続サービス、auスマートバリュー加入(当初2年の場合)は現状の料金プランでは機種代を含まずに税込4,283円となるところが、新料金であるauピタットプラン(スーパーカケホ)であれば当初1年目1,980円(税前)、2年目以降2,980円(税前)になる。

料金の値下げ幅にはプランで幅があるものの、従来料金よりお得になる。既存ユーザーすべてが対象となるためau利用者には嬉しい話だろう。

しかし、収益面では料金収入の減少はそのまま利益の減少要因になる。データ利用の促進、解約の削減、各種費用の削減、あるいは顧客獲得増によって短期および中期的に収益を確保する必要に迫られるが、当初は損益的にマイナスの影響が出ると株式市場は見ていると思われる。

今回の料金改定はY!mobileや他のMVNOの料金に一歩接近するものであり、通信業者間で顧客獲得競争が激しくなる可能性も高まる。NTTドコモ(9437)の株も前週末比下げており、ソフトバンクグループ(9984)の株価もほぼ横ばいどまりで推移していることがこれを暗示しているようだ。

おりしも世界的な金利上昇で、業績の安定性と配当利回りで評価されてきた通信株には見直しの機運が出ていた。今回の料金改定は利回り志向の投資家には悩ましいものになりそうだ。

LIMO編集部