この記事のポイント
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50歳代・二人以上世帯の23.2%が「貯蓄ゼロ」 -
50歳代・二人以上世帯「年収1000万円」でも1割弱が貯蓄ゼロ -
定年前の「TODOリスト」に載せたい、お金にまつわる3項目を紹介
1月は、ふだんの家計を見直したり、将来に向けて資産形成を始めようと思い立ったりする時期ではないでしょうか。
物価高が続くなか、最近は光熱費や外食費、旅行代といった支出が膨らみ、貯蓄が思うように進んでいないと感じる方もいらっしゃるでしょう。
昨年よりiDeCo改正やNISAの拡充などお金にまつわる制度の見直しが加速しています。
今回は、老後が近づく50代の貯蓄事情に迫り、リタイヤ前にぜひやっておきたい「TODOリスト」として、3つの項目をお話ししていきます。
【注目記事】50代で「貯蓄2000万円以上」そんな羨ましい人は何割いるのか
1. 50歳代・貯蓄ゼロ世帯の割合は?
まずは、50歳代世帯の貯蓄の状況を確認しましょう。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」の令和3年度調査結果によると、50代の平均貯蓄額は1386万円・中央値は400万円です。
平均は一部の大きな値に引き上げられる傾向がありますので、より実態に近い「中央値」が参考にしやすいです。貯蓄額の分布を見ていきましょう。
1.1 50歳代・二人以上世帯の貯蓄額分布
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金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和3年度調査結果」をもとにLIMO編集部作成
50歳代・二人以上世帯の貯蓄額
※金融資産を持たない世帯を含む
平均:1386万円
中央値:400万円
- 金融資産非保有:23.2%
- 100万円未満:8.9%
- 100~200万円未満:6.5%
- 200~300万円未満:4.5%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:3.4%
- 500~700万円未満:6.4%
- 700~1000万円未満:6.3%
- 1000~1500万円未満:8.0%
- 1500~2000万円未満:5.7%
- 2000~3000万円未満:6.6%
- 3000万円以上:12.9%
- 無回答:3.5%
同世代でも、貯蓄が順調にできている世帯とできていない世帯と、大きな差があることが分かります。
2. 【世帯年収別】50歳代・貯蓄ゼロ世帯は何パーセント?
続いて、50歳代の世帯年収ごとに貯蓄ゼロ世帯の割合がどれくらいなのかを確認します。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」をもとにLIMO編集部作成
年収300万円未満の世帯のうち41.7%は貯蓄ゼロ、かつ中央値が15万円です。年収300~500万円未満の世帯では35.1%が貯蓄ゼロ、中央値は100万円です。
こうなると、日常生活で精一杯という状況となることもうかがえます。老後資金の準備どころか、病気やケガなど「まさかのとき」の備えについても不安でしょう。
いわゆる「高年収層」といえる年収1000万円以上の世帯でも、1割弱の世帯が貯蓄ゼロという結果が出ています。年収の多少と、貯蓄スキルは別の話である、とも言えそうです。
3. 定年前にやっておきたい「TODOリスト」3項目!
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Irina_Strelnikova/istockphoto.com
ここまで、50代世帯の貯蓄事情をみてきました。
定年退職前の近づく時期に、どのように老後を迎えるかお金について見つめ直そうと感じた人も多いかもしれません。そこで、リタイヤ前にぜひやっておきたい3つの項目を、「TODOリスト」形式でお話ししていきます。
3.1 【その1】将来の「収入」と「支出」を長期目線でつかむ
老後生活の収入の柱の一つが、公的年金です。まずは、自身の年金額がいくらなのかを把握しましょう。公的年金収入だけで支出がカバーできるのか事前に確認することが大切です。
もし不足する計算ならば、退職までの残り期間は老後資金を増やす貴重な期間となります。
自身の収入と支出を照らし合わせ、退職金は有無やどのくらいの金額をつかみ、具体的な収支の見通しを立てていきましょう。
足りない場合には、退職時期を先延ばし長く働くことを検討することをおすすめします。
働く期間を長くできるなら、年金の受け取り開始時期を遅らせて将来の年金額を増やす方法の「繰下げ受給」も選択肢の一つとなります。
「繰下げ受給」は受け取りを遅らせることで年金額が増加する仕組みです。増加率は一生涯続くため長生きするほど増加した年金額を受け取ることができます。受給開始までの収入や体力を許す限り、年金受け取りの開始時期をいつにするか検討してみるのも選択肢の一つです。
3.2 【その2】家計のスリム化に「本気で」取り組む
50代は会社員であれば年収のピークを迎える人が多い時期。
収入が増えるとそれに伴って、生活レベルも上がるという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「老後破綻」という言葉も生まれ、現役時代の生活レベルを年金生活で維持し続けた場合、想像以上に貯蓄の切り崩すスピードが早いと感じている方もいらっしゃいます。
その結果、家計のやりくりに困窮するという高齢者も少なくないです。
老後生活になったからといって、これまでの生活レベルや習慣を大きく変えることはなかなかできないことです。まずは、日頃の家計の無駄を洗い出し、今一度「必要な支出なのか」を考えてみましょう。
家計のスリム化は、貯蓄を増やしやすい環境をつくり、老後の生活への良き助走期間となるでしょう。
3.3 【その3】資産の「色分け」をする
退職金や親からの相続遺産のような大型収入があったとき、銀行などの預貯金ではなく「資産運用」でお金を増やそうと考えている人も少なくないでしょう。
もちろん、低金利のご時世、預貯金だけでは残念ながら資産を増やすことには繋がりにくいです。一方、資産運用は預貯金と比較すると効率よく資産が増える可能性もありますが、元本割れリスクを伴います。
ここで大切になるのが、資産運用を始める前に「資産の置き場所」を決めておくことです。
まずは、資産を「3つに色分け」します。ご自身と家族の人生設計に沿って、使う目的ごとにお金に「色」をつけ、それぞれを分けて運用していくスタイルです。
- 「使うお金」…生活費など、日々必要なお金、使う予定の決まっているお金
- 「備えるお金」…将来の医療・介護への備え、大切な人へ遺したいお金
- 「増やすお金」…当面の間、使い道が決まってないお金
「使うお金」は、住宅購入資金や教育資金などが該当します。出ていく時期が決まっているため、大きなリスクをとること避けたいところ。必要となった時に引き出しやすい預貯金などで確保しておくのが安心といえるでしょう。
「備えるお金」は、病気や怪我に見舞われたり、自然災害の被害を受けた場合などに備えるお金です。まずは現在契約中の保険商品について、どんなケースでどの程度の保障が受けられるのか、確認しておきましょう。
一概には言えませんが、特に女性は男性よりも長寿となる傾向があります。例えば、パートナーと死別後、要介護状態になる可能性なども自分ごととして捉えていく視点が大切ですね。
60代に入ると、健康面でも問題がでてくるケースも増えていきます。そうなれば、自分だけでなく家族にも精神的・体力的な負担がかかります。
そういった時期に金銭的において困らないように契約内容の確認から始めていきましょう。貯金で賄えるだけのお金があれば問題ないかもしれませんが、足りない場合は必要保障分の備えをしておく必要がありますね。
「そなえるお金」がはっきりしたら、「ふやすお金」の準備です。
「ふやす」ための方法として、投資性の金融商品があげられます。単に金融商品といっても、元本保証の「預金」も含むので、リスクの低いものもあれば高いものもあり、多種多様です。
年齢を重ねるほど、運用期間が短くなります。
老後資金のように目減りを避けたいお金であれば、リスクを抑えた金融商品で運用することもできます。
人によって投資の目的やリスクの許容度や資産状況はさまざまです。最適な金融商品を選ぶために、まずは情報収集からスタートしましょう。
まとめにかえて
今回は「50歳代の貯蓄」そして、定年を迎えるまでにぜひやっておきたい3項目を「TODOリスト」形式でお話ししてきました。
将来への資産形成で大切なことは、「自分が将来どんな生活を送りたいか」を具体的にイメージすることです。自分にとっての将来の必要金額を見出し、明確に目標を立てることから始めてみましょう。
老後生活を見据えた準備として、まずは今の家計を見つめ直し、数字の洗い出しをしてみる時間をつくるのはいかがでしょうか。
参考資料
仲宗根 梨世
