セイコーマート、2年連続で顧客満足度1位の栄冠獲得
セイコーマートが、「コンビニの雄」セブン-イレブン・ジャパンを押さえて顧客満足度で快走しています。
2017年6月20日に発表された2017年度サービス産業生産性協議会調べによると、セイコーマートはコンビニエンスストア部門の顧客満足度で1位を獲得しました。セブン-イレブン・ジャパンをおさえて2年連続の栄冠です。
この調査では顧客期待(利用者の事前の期待)、知覚品質(実際の品質評価)、知覚価値(コストパフォーマンス)、顧客満足、推奨意向(利用した内容を肯定的に他人に伝えるか)、ロイヤルティ(今後も継続して利用したいか)という6つの評価項目があります。
セイコーマートは、このうち顧客期待と知覚品質のトップをセブン-イレブン・ジャパンに譲り2位でしたが、残りの4つではセブン-イレブン・ジャパンを2位に従えトップとなりました。
コンビニ業界といえば全国的にセブン-イレブン・ジャパン、ファミリマート、ローソンの3社による寡占化が進んでいますが、利用者視線で見るとセイコーマートがぶっちぎりです。しかし、実際に店舗に行かれた経験のある方は少ないのではないでしょうか。どのような特色があるのか、見ていきましょう。
セイコーマートは日本最初のコンビニ!?
セイコーマートの1号店は1971年(昭和46年)、札幌市北区で誕生しました。セブン-イレブン・ジャパンの設立は1973年11月ですので、国内最古のコンビニと言われています。
セイコーマートは北海道に地域密着
セイコーマートは札幌で産声を上げた後、北海道に集中して出店しドミナント化を進めてきました。
2017年6月末現在、北海道に1,082店、茨城86店、埼玉13店の合計1,181店の店舗数となっています。いかに北海道に集中して事業展開を進めてきたかがお分かりになるでしょう。同社によれば北海道における人口カバー率はなんと99.8%に上り、1日当たり利用者は約64万人にもなるということです。
ちなみに、2017年2月末時点の北海道における店舗数を見ると、セブン-イレブン・ジャパンが959店舗でセイコーマートに肉薄しようとしています。一方、ローソンは637店舗、ファミリーマートとサークルKサンクスは248店舗となります。北海道は同社とセブンの寡占状態になっていると言えます。
道産子の心をつかむ秘密とは
さて、北海道を知り尽くしている同社がこれだけの顧客満足度を誇るには3つのヒミツがあると考えます。
まず第1は、地産地消を中心にした製品作りの取り組みです。
北海道は四方を海に囲まれ大地の恵みも豊かですので、これを活かし、おいしさ、品質、安全性などにこだわったオリジナル商品を1995年以来開発してきました。原材料の生産から製造、そして物流までセコマグループとして自社でしっかり関与してきたことが顧客からの支持のベースになっています。
第2はお手頃価格です。
道内コンビニ1位としての規模のメリットと、製販一体管理によって安さにも十分に留意を図った商品展開ができていることが、顧客の「コスパ感」にしっかり訴求できていると言えるでしょう。
第3は店内調理「ホットシェフ」です。
大手コンビニでは最近揚げ物を店内で調理して提供することが一般化してきましたが、同社は1994年から「店内調理」に取り組んできました。離島への出店施策だったとも言われていますが、現在は900店以上の店舗に展開しています。
定番であるカツ丼、大きなおにぎり、フライドチキン、フライドポテト、バタークロワッサンなどに加えて、季節商品として、たとえばさんま蒲焼重などが揃えられています。
筆者は関東在住ですが、ほぼ毎年冬に北海道に行きます。旅先、車での移動中、セイコーマートがあればこのホットシェフのあたたくておいしいお弁当を必ず買いに行きます。電子レンジで温めるよりも、顔が見え、心まで暖かくなるお弁当であるためか、昼時などは多くの消費者を集めていることに驚かされます。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。セイコーマートの強さは、このような地元に根を張り、かつ効率を追求した運営にあると思います。しかしその一方で、北海道民の地元愛の強さも同社の重要な競争力ではないかと推察されます。
先に述べたように北海道はセブン-イレブン・ジャパンとの2強時代になっていますが、それぞれ個性を発揮していくことで消費者の選択肢が豊かになると思います。ぜひセイコーマートの今後の発展を見守りたいと思います。
LIMO編集部