3. 「年金を増やす」は損か得か

現役時代と同じく、年金受給がスタートしたあとも、社会保険料や税金と縁が切れるわけではありません。

健康保険料や介護保険料は所得に応じて金額が決まります。また、老齢年金は一定額を超えると所得税の課税対象となります。また、要介護・要支援認定を受けて介護サービスの利用が始まってからも、介護保険料は生涯支払う必要があるのです。

年金額を増やしすぎた場合、これらの「天引きされる社会保険や税金」もアップすることに。老後の年金は「額面通りいは受け取れない」点は、前もって知っておく必要があるでしょう。

「繰下げ受給で年金額は増えたものの、社保や税の天引きも増えて手取りが減った」という事態も起こり得るわけです。

税金や年金の制度はわかりにくいものが多いです。また「いつまで生きるか」も、事前に知ることはできません。繰下げ受給を検討した場合、ご自身にとってのメリット・デメリットを正しく把握できる人は決して多くはないでしょう。