大学入学試験が多様化し、年越しする前に進学先が決まっている受験生も珍しくありませんが、やはり1月から3月にかけてが大学受験の山場になります。
進路先によっては地元を離れて一人暮らしをスタートする大学生もいます。
同じ学費を払うとしても、実家暮らしの大学生と一人暮らしの大学生では、家計への負担がどのくらい違うのでしょうか。
今回は大学生の学費や一人暮らしをする学生への仕送り額などをみていきます。
【大学生】入学前後で発生する費用もかなりの金額
一口に大学と言っても、国公私立、そして文系理系等で学費が異なります。しかし、入学前からかかる費用の違いもみられます。
日本政策金融公庫の「令和3年度教育費負担の実態調査結果」によると、入学費用(受験した全ての学校・学部の受験で発生した受験料と宿泊代などを含む受験費、学校納付金、入学しなかった学校への納付金)に関する費用は次の通りになります。
1/3
出所:日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」
国公立大学の入学費用
- 合計67万2000円
内訳
- 受験した全ての学校・学部で発生した受験料と宿泊代などを含む受験費:27万7000円
- 学校納付金:28万6000円
- 入学しなかった学校への納付金10万8000円
私立文系の入学費用
- 合計81万8000円
内訳
- 受験した全ての学校・学部で発生した受験料と宿泊代などを含む受験費:31万3000円
- 学校納付金:40万6000円
- 入学しなかった学校への納付金:9万9000円
私立理系の入学費用
- 合計88万8000円
内訳
- 受験した全ての学校・学部で発生した受験料と宿泊代などを含む受験費:32万2000円
- 学校納付金:46万6000円
- 入学しなかった学校への納付金:10万円
入試から入学の間に約70万円から90万円の費用が発生し、一人暮らしをする場合はそこに賃貸契約料や生活雑貨や寝具、家電購入も加わることになります。
大学の学費は1年間どのくらいかかるのか
大学の学費は「卒業までのトータル」で語られることが多いですが、具体的に一年間でどの程度学費が発生しているのか気になることろです。
日本政策金融公庫の同調査から、1年間の在学費用は国公立大学は103万5000円、私立文系で152万円そして私立理系183万2000円かかることが分かりました。
月額換算だと国公立大学では1ヶ月約8万6000円、私立文系が約12万7000円、私立理系は約15万3000円になります。
学費が抑えられる国公立大学でも年間100万円以上かかるため、「お安い」とは決していえません。
さらに一人暮らしをする場合、この他に下宿代や光熱費や食費なども発生するため、学費以外のお金を親の仕送りや子どものアルバイト代でまかなうことになります。
【大学生の一人暮らし】気になる仕送り額
それでは、仕送り額はどのくらいなのかデータをみていきましょう。
大学進学を機に親元を離れて一人暮らしをする大学生への仕送り額を、複数の機関が調査しています。
日本政策金融公庫の「令和3年度教育費負担の実態調査結果」では、自宅外通学者への仕送り額は、年間平均95万8000円(月額7万9000円)です。
独立行政法人日本学生支援機構が隔年で調査している「令和2年度学生生活調査・高等専門学校生生活調査・専修学校生生活調査」は年間114万4700円(月額約9万5392円)でした。
2/3
出所:独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」
首都圏に入学した新入生の経済負担度を調査している東京私教連の「2021年度私立大学新入生の家計負担調査」によると、毎月の仕送り額は8万6200円という結果になりました。
3/3
出所:東京私教連「2021年度私立大学新入生の家計負担調査」
どのくらいのお金を子どもに送るかどうかは家庭によって異なりますが、概ね約8万円から9万5000円が相場だということが分かります。
これを踏まえて考えると、一人暮らしをする場合は大学や文系理系別で毎月以下の費用がかかることになります。
- 国公立大学:約17万円
- 私立文系:約21万円
- 私立理系:23万円以上
大学入学と同時にこれだけのまとまったお金を負担することになるため、「好きな大学を選びなさい」とはそう簡単に言えないのが実情です。
早い段階から学費と仕送りの捻出を想定する
一人暮らしを予定している子どもがいる家庭では、学費の他にも仕送りとして出すお金の捻出も考えなければいけません。
また、「アルバイトをして生活費を稼ぐ」という大学生は昔も今も多いですが、昨年秋から続く物価高もあり食費などを切り詰めるのも限度があります。
親は学費の他にどのくらい仕送りが出来るかを計算し、春から大学生になる子どもはどのくらいアルバイトをして稼げば生活費などをカバーできるか考えましょう。
そして、これから進路選択を控えている子どもがいる場合「大学まで行くつもりなら家から通える範囲の大学にするかどうか」といった判断を、なるべく早い段階から親子で話し合いましょう。
家計の事情によって一人暮らしをさせることが難しいこともあります。
後手後手になっていると、子どもの夢を直前になって断念させることにつながります。
実現可能な範囲から選択肢を選び、確実に大学に行かせられるようにするのも現実的な判断です。
参考資料
中山 まち子
