60歳代で独身の人がその後もずっと独身であれば、お金の面では「自分だけが頼り」になります。
最近の60歳代の「おひとりさま」がどのくらい貯蓄をしているのか、気になる人も多いでしょう。
今回は、最新データで60歳代独身の人の貯蓄額と、公的年金の受給額を紹介し、ライフプランの立て方を解説します。
【注目記事】60歳代「平均貯蓄額」から考える2023年の暮らし。厚生年金・国民年金は頼りになるか
1. 60歳代ひとり世帯の平均貯蓄額を最新データで確認
最初に、単身世帯の金融資産保有額を60歳代と全体で比較してみましょう。
60歳代では1000万円以上を持つ人の割合が36.8%と、全体の23.5%に対して10ポイント以上上回っています。
3000万円以上の人も17.7%となっており、60歳代・ひとり世帯で3000万円貯めている方もいるとわかります。
平均額は1860万円となっており、60歳代で独身であれば、人生100年時代と考えると1000万円は準備したいところです。
しかし、データの中央値は460万円、貯蓄のない人も30%近くと貯蓄のできていない人も少なくありません。
貯蓄の少ない人は働き方や貯蓄計画などを、健康なうちに考えておきましょう。
2. 60歳代は国民年金と厚生年金はいくらもらえる?【令和3年度最新版】
次に老後の生活の柱である公的年金の60歳代の受給額を確認しておきましょう。
ここで、「厚生年金+国民年金」とは、厚生年金の支給額に国民年金分が含まれていることを意味します。
老齢年金の支給開始は原則として65歳からです。
65歳未満で老齢年金を受け取るのは繰上げ受給、または一定の要件を満たす人が特別支給の老齢厚生年金を受け取るケースに限られます。
そのため、64歳までの年金受給額は65歳以降に比べて少なくなるのです。
一方、受け取る年金に対して生活費はいくらかかるでしょうか。
2021年の総務省家計調査年報(家計収支編)によると、65歳以上の高齢単身無職世帯の消費支出は13万2476円、税金などの非消費支出は1万2271円でした。
かかる生活費を考えると、60歳から仕事をしないで生活する場合、貯蓄の大幅な取り崩しが避けられないでしょう。
特に国民年金しか受給できない自営業やフリーランスなどの人は、毎月の取り崩し額が10万円以上になる可能性があります。
そうなると、1000万円程度の貯蓄があっても、10年以内には底をつくことになりそうです。
厚生年金が受け取れる人も65歳まではなるべく貯蓄を取り崩さずにすむように、働いた収入で生活することも考えましょう。
65歳になると本来の年金を受け取れるようになり、厚生年金の人は年金と毎月の支出が「ほぼトントン」の状態になります。
しかし、国民年金だけの人は大きく不足するため、早いうちから貯蓄だけでなくiDeCoやNISAなども利用した計画的な準備をするといいでしょう。
運用はリスクがありますが、きちんと調べご自身に合った方法を選ぶことで効率よく老後資金を準備できる部分もあります。
将来受け取る年金のより正確な数字は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認しましょう。
3. 特別支給の老齢厚生年金と公的年金の繰上げ受給
60歳から受け取る年金について、少し補足をしておきます。
特別支給の老齢厚生年金は、1961年4月1日以前に生まれた男性と1966年4月1日以前に生まれた女性で受給の条件を満たす人が60歳以降に受け取れる厚生年金です。
特別支給の老齢厚生年金を受け取る人が厚生年金に加入して働く場合、年金額と働いた報酬額によっては年金の一部または全額が支給停止になります。
老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金は、希望すると65歳前に繰上げで受け取れます。
繰り上げる月数に応じて年金が減額され、減額された年金額を一生涯受け取る点に注意が必要です。
繰上げによって減額されるのは1カ月あたり原則0.4%で、60歳から受け取る場合は24%の減額になります。
繰上げに対して、75歳までの繰下げも可能です。
繰下げる場合は1カ月につき0.7%増額され、75歳から受け取る人は84%の増額となります。
注意したいのが、特別支給の老齢厚生年金の請求忘れです。
特別支給の老齢厚生年金は繰上げ受給とは違うので受け取っても減額されません。
また、請求しないと受け取れず、繰下げ受給もできません。
4. 不安のないおひとりさまの老後のために
「おひとりさまの老後」というと孤独なイメージがありますが、自分の好きなように過ごせると考える人も多いようです。
老後を1人で不安なく過ごすには、生活費以外の資金も準備する必要があります。
健康で働けるうちは問題ありませんが、病気になったり、一人暮らしが難しくなったりしたときのことも考えておかなければなりません。
頼る人がいない分、お金もかかることを想定し、生活費の不足分以外のお金も準備しておきましょう。
病院に入院したり施設に入居したりする場合に、お金以外に「身元保証人」が必要になるケースがあります。
いざというときに慌てないようにあらかじめ引き受けてくれる人を見つけ、頼んでおくといいでしょう。



