スタバの顧客満足度ランキングが低下。ついに圏外へ

スターバックスの顧客満足度が低下しています。

2017年6月20日に発表されたサービス産業生産性協議会の調べによれば、2017年度のカフェ部門の顧客満足度において、ドトールコーヒーが3年連続1位となりました。

この調査はカフェ・ベローチェ、コメダ珈琲店、サンマルクカフェ、スターバックス、タリーズコーヒー、ドトールコーヒー、ミスタードーナツの7つについてインターネット・モニターで調査をもとにランキングし上位が開示されています。

過去4年間のランキングを見てみましょう。

【2017年度 カフェ】
第1位 ドトールコーヒー
第2位 ミスタードーナツ
第3位 コメダ珈琲店
第4位 カフェ・ベローチェ

【2016年度 カフェ】
第1位 ドトールコーヒー
第2位 タリーズ、カフェ・ベローチェ
第3位 スターバックス

【2015年度 カフェ】
第1位 ドトールコーヒー
第2位 カフェ・ベローチェ
第3位 スターバックス
第4位 コメダ珈琲店

【2014年度 カフェ】
第1位 スターバックス
第2位 カフェ・ベローチェ
第3位 ドトールコーヒー
第4位 タリーズ

さて気になるのはスターバックスです。2014年度にははじめて第1位に輝きましたが、その後徐々にランクを落とし、2017年度にはとうとう上位4つに入りませんでした。

スタバに対する顧客の期待は高い

スタバが顧客満足度で上位に入らないことを当然と思う方もいらっしゃるでしょうが、不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。筆者もスタバに入るときには、「非日常の空間に入る」ような気分になりますし、圏外とは意外な気がします。

この調査、実は6つの指標にわけて集計されています。具体的には、

顧客期待:サービスに対して利用者が事前に持っている印象や期待
知覚品質:サービス品質の評価
知覚価値:コストパフォーマンス
顧客満足度:利用して感じた満足度
推奨意向:サービス内容を肯定的に人に伝えるか
ロイヤルティ:今後もそのサービスを使いたいか、より頻繁に使いたいか

そこでスターバックスの6指標それぞれの順位を見てみましょう。2017年度と顧客満足度第1位となった2014年度を比べてみます。

【2017年度 スタバ】
顧客期待:第1位
知覚品質:第1位
知覚価値:圏外(第5位以下)
顧客満足度:圏外(第5位以下)
推奨意向:第1位
ロイヤルティ:第4位

【2014年度 スタバ】
顧客期待:第1位
知覚品質:第1位
知覚価値:第3位
顧客満足度:第1位
推奨意向:第1位
ロイヤルティ:第1位

面白いことにスタバは顧客期待、知覚品質、推奨意向でいずれの年もトップでした。ロイヤルティも悪くありません。

コスパが顧客満足度のカギになった

一方、知覚価値に対する評価がいずれの年度も低いことが目に付きます。確かにスタバのコーヒー単価は他社と比べるとやや高めで、フードメニューも安くはありません。「コスパが良くない」と利用者に認識されているということでしょう。

ただ、今見てきた通り、利用者によるスタバの評価(顧客満足度以外)の特徴は2014年度から2017年度にかけて大きく変わったとは言えません。従ってスタバの顧客満足度が低下した理由はスタバ自身にあるというよりも、利用者のコスパ志向が強まったからだと考えるべきではないでしょうか。

ちなみに3年連続顧客満足度トップのドトールはといえば、コスパ以外はそこそこのランキングですが、顧客満足度ではトップになっています。

【2017年度 ドトール】
顧客期待:第4位
知覚品質:第4位
知覚価値:第2位
顧客満足度:第1位
推奨意向:第4位
ロイヤルティ:第2位

消費税とコンビニ・マクドナルドの影

面白いことに消費税増税の時期(2014年4月)以降、スタバの顧客満足度が低下しています。賃金が上がらないなかで、利用者のコスパに対する意識が年々強まってきたと考えることができそうです。

さらにコンビニ各社やマクドナルドにおいてクオリティのよいコーヒーが提供され、さらにドーナツなどの食品群の品ぞろえが拡充されてきました。コスパを考える際の比較対象が増えていることも、スタバの試練につながっているといえます。

コスパ志向の向かい風、どうするスタバ?

現在の賃金環境を考えると消費者のコスパ志向はそう簡単には変わりそうもありません。一方、スタバが値下げを選択するのも簡単ではないでしょう。「単価が上がってもいいので”もっとおいしいコーヒー”を」、こうした利用者を取り込めるかどうかが今後のカギになるのではないでしょうか。

LIMO編集部