3. 国民年金と厚生年金、受給額の個人差が大きいのは?

平均受給額がわかったところで、次はもう少し深掘りして「受給額ごとの人数」をみていきます。

いくら受給する人が多いのかに注目してみましょう。

3.1 国民年金の受給額ごとの人数

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 1万円未満:7万4554人
  • 1万円以上~2万円未満:29万3600人
  • 2万円以上~3万円未満:92万8755人
  • 3万円以上~4万円未満:284万2021人
  • 4万円以上~5万円未満:466万3638人
  • 5万円以上~6万円未満:776万979人
  • 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
  • 7万円以上~:188万2274人

グラフをみると、男女ともに「6万円以上~7万円未満」が多いことがわかりますね。

国民年金の場合「満額でも月額6万4816円」ということを踏まえると、年金だけで生活するのは心許なく感じるのではないでしょうか。

3.2 厚生年金の受給額ごとの人数

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

グラフを見ると、男性は「15~20万円未満」が多く、女性は「8~10万円未満」が多いです。男女でボリュームゾーンが大きく違うことがわかります。

また幅広い受給額に分布しており、個人差が大きいことがうかがえます。

現在のシニア世代では、結婚後も働き続ける女性が少ないものでした。また賃金の差も顕著でしたので、収入差・加給月数の差が年金の額に影響したと考えられます。

今は共働き世代も増えたことから、今後の男女差は徐々に減ると予想されますが、完全に無くなるのはまだ先となるでしょう。

また個人差は今後も続きます。国民年金と違い、厚生年金はこのように差が激しいことを知っておきましょう。

【ご説明】「第1号厚生年金被保険者」とは
厚生年金は現在、下記のように分類されています。

  • 第1号厚生年金被保険者…厚生年金保険の被保険者のうち、民間の事業所に使用される者
  • 第2号厚生年金被保険者…旧共済年金の加入者(国家公務員共済)
  • 第3号厚生年金被保険者…地方公務員共済の加入者
  • 第4号厚生年金被保険者…私立学校共済の加入者

参考:企業年金連合会「第一号厚生年金被保険者」