2022年12月15日に発表された、株式会社アピリッツ2023年1月期第3四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社アピリッツ 代表取締役社長執行役員CEO 和田順児 氏
2023年1月期第3四半期決算説明会
和田順児氏:アピリッツ代表取締役社長の和田でございます。本日は第3四半期の決算説明を行います。まずはじめに、株主のみなさまにおかれましては、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
当社は12月15日に第3四半期決算短信を発表しています。今回も決算説明会資料、説明動画をIRページに掲載しますので、ご視聴いただければと思います。
機関投資家のみなさまにおかれましては、面談の設定はIRまでお問い合わせください。また、個人投資家向けのウェビナーを複数回開催していますので、こちらもご参加いただければ幸いです。
会社概要
では、始めます。本日の流れですが、コーポレートサマリ、第3四半期業績ハイライト、今後の成長戦略、Appendixという順でご説明します。
まずコーポレートサマリ、つまり当社のご説明です。当社はミッションとして「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」ということを掲げて事業を行っています。
会社概要
会社の概要です。10月末時点の従業員数は連結で約700人となっています。今年からグループ会社として株式会社ムービングクルーとY's(ワイズ)がジョインしています。
会社概要
株主の構成です。スライドに記載のようになっていますので、ご覧いただければと思います。
会社概要
事業をご説明します。当社は3つの事業を持っています。1つ目はWebソリューション事業で、企業向けのWebサイトを作るサービスです。2つ目はオンラインゲーム事業で、ゲームを作って展開しています。3つ目は今期から新しく開始した人材育成派遣事業です。
会社概要(過去10年の全社売上高推移:単体)
過去の売上高の推移についてご説明します。過去10年間、だいたい右肩上がりの企業成長を遂げており、過去10年間の年間売上高の成長率は16.2パーセント増で進んでいます。直近は売上成長が少し伸びており、23.3パーセント増となっています。
連結業績ハイライトサマリ
第3四半期の業績をご説明します。第3四半期累計期間は増収・増益で着地しています。売上高は52億6,300万円、昨対比で50.7パーセント増となっています。
営業利益も累計で3億100万円という状況です。昨対比で145.4パーセント増と、業績は比較的順調に成長しています。また、来期リリース予定の自社ゲームにも「ワンチャンスある」と考え、投資を続けています。
連結業績ハイライト
通期の業績予想の進捗状況についてご説明します。通期の業績予想に関しては、売上高で70億円、営業利益で4億5,000万円を掲げています。第3四半期終了時点で、通期の業績予想に対しての進捗率は売上高で75.2パーセント、営業利益で67パーセントと、比較的順調に推移している状況になっています。
連結業績ハイライト(売上高四半期推移)
四半期ごとの売上高の推移です。売上高は3事業ともに順調に成長しています。スライドのグラフは下からWebソリューション事業、オンラインゲーム事業、人材育成派遣事業の売上高となっています。
連結業績ハイライト(原価・販管費四半期推移)
原価の推移です。原価についても、売上高の伸びに伴い、そのまま推移している状況です。
連結業績ハイライト(営業利益四半期推移)
営業利益の推移です。第3四半期の営業利益は1億3,400万円となりました。前年同期比では22.9パーセント増、直近の四半期比では50.1パーセント増で推移しています。
連結業績ハイライト(貸借対照表)
貸借対照表についてです。大きなトピックスとしては、長期借入金で3億円を借り入れて、固定負債が増加しています。こちらは今後のM&A資金や、安定的な運転資金の確保のために行ったものです。
社員数推移
社員数の推移です。当社は社員数がそのまま売上になるようなビジネスモデルの事業を行っており、社員数は成長の源泉になります。第3四半期終了時点では696名と順調に成長しています。
なお、「退職率はどのような状況ですか?」というご質問をけっこういただくのですが、退職率は約11パーセントと安定して推移している状況になっています。
社員数推移
年代別の社員数の状況についてです。当社は若い社員が非常に多く、20代が354人となっており、社員の約6割が20代で構成されています。
今後、労働人口が減っていく中で、将来的な競争力の源泉になってくると考えていますので、なるべく平均年齢等を維持しながら会社を大きくしていき、会社の中の人口ピラミッド構造をしっかりと維持していくことを意識しながら運営しています。
Webソリューション事業・業績ハイライト(四半期売上推移)
第3四半期の業績を各セグメントごとにご説明します。まず、Webソリューション事業については、第3四半期の売上高は7億3,300万円で着地しています。四半期ごとベースでも順調に成長している状況です。
Webソリューション事業・業績ハイライト(四半期原価推移)
原価についても、売上の推移に準じるかたちで原価も増えています。
Webソリューション事業・業績ハイライト(セグメント利益率推移)
Webソリューション事業の利益率です。第3四半期の営業利益は2億500万円で、利益率は30パーセント弱を維持している状況です。売上高が伸びると、その分だけ利益率の掛け算で利益が出てきますので、利益も右肩上がりになっています。
Webソリューション事業・業績ハイライト(平均単価推移)
顧客の平均単価の推移です。徐々に案件の大型化が進んでおり、顧客1件あたりの平均単価は増加している状況です。
Webソリューション事業・業績ハイライト(問い合わせ数推移)
営業ではリードも大切ですので、問い合わせ数がどうなっているのかと言いますと、当社への問い合わせも、右肩上がりに順調に増えている状況です。
23期トピックス
23期の事例として、株式会社さとふるさまのスマートフォンアプリを当社で作りまして、そのご説明をスライドに記載しています。
オンラインゲーム事業・業績ハイライト(四半期売上推移)
オンラインゲーム事業の業績をご説明します。まず、第3四半期の売上高は9億7,100万円で着地しています。多少でこぼこしているのですが、少しロングスパンで見ると、右肩上がりで売上高が成長している事業です。
特に、第2四半期、第3四半期に、新しく運営移管した「ユニゾンエアー」の売上高が事業の売上を牽引する要素になっています。
オンラインゲーム事業・業績ハイライト(四半期原価推移)
原価の推移です。「ユニゾンエアー」の運営移管を行うために、外注費等が一時的に大きく増加しています。
オンラインゲーム事業・業績ハイライト(セグメント利益)
その結果、セグメントの利益は一時的に減少しており、第3四半期は3,700万円で着地しています。
オンラインゲーム事業・業績ハイライト(のれん等償却費推移)
オンラインゲーム事業におけるのれん等の償却費の推移状況をご説明します。当社は運営移管等の案件におけるのれんの償却を、2年という早めの償却期間で行っています。なるべく短い償却期間を設けているのは、費用負担を早期に解消し、先々はしっかりと利益に変えていこうという観点によるものです。
中でも、昨年開始した「けものフレンズ3」はすでに3分の2が償却済みとなっています。「ユニゾンエアー」も新しく開始し、こちらは25期の第2四半期には償却が終了する予定で動いています。
23期トピックス
現在の運営パイプラインの状況です。開発パイプラインは1ライン、運営パイプラインは9ラインあり、そのうち自社開発・運営のゲームが1ライン、パートナーさまが運営するゲームが4ライン、運営移管したゲームが4ラインとなっています。
23期トピックス
新作ゲームは、来年秋のリリースを予定して開発を進めています。
人材育成派遣事業・業績ハイライト(四半期売上推移)
人材育成派遣事業の業績をご説明します。第3四半期の売上高は4億2,700万円と、子会社の売上が大きく寄与して成長しています。
人材育成派遣事業・業績ハイライト(セグメント利益)
セグメント利益も売上高の伸びに沿うかたちで順調に増えています。第3四半期は3,200万円で着地しています。
事業成長イメージ
今後の成長戦略です。安定事業として位置づけている、Webソリューション事業、オンラインゲーム事業、人材育成派遣事業の3つの事業を基盤とし、その上にさらなる成長ドライバーとして新規事業やM&A、新しいサービス等で売上高を伸ばしていこうと考えています。
M&Aの方向性(Webソリューション事業)
M&Aには2つの考え方があると考えています。まずは、STEP 1として、直近ではM&Aで人材を確保して、それぞれの既存事業を伸ばすことを考えています。その後、中期施策として、M&A等で新規サービスを増やしていくことを検討し、伸ばしていこうと考えています。
M&A(事業譲受や運営移管・共同運営)の方向性(オンラインゲーム事業)
同じくオンラインゲーム事業においてもM&Aを行っていきます。こちらの方針としては、運営移管を行って事業を伸ばしていくことを考えています。
M&A後の子会社(ムービングクルー)・業績推移
ちょうど今年、M&Aで2つの子会社ができており、そちらの状況について少しご説明します。
まずはM&A後の子会社について、ムービングクルーの状況をご説明します。スライドのグラフは売上高と営業利益を表しています。ムービングクルーはM&A後に利益の改善に注力し、現在、順調に収益性が改善して利益が出る状況になってきています。
M&A後の子会社(Y's)・業績推移
株式会社Y'sは売上高が右肩上がりに順調に伸びていたため、それをさらに伸ばし、利益もしっかりと出てきています。今年は2件のM&Aを行いましたが、両方とも今のところ、当社の業績にしっかりとプラスの結果をもたらしています。
コーポレート
コーポレートについてご説明します。株主還元方針ですが、当社は中間配当5円をすでに実施しており、期末配当予想は5円を据え置いています。今後も配当や自己株式取得等により総還元性向30パーセントを目標とし、事業をしっかりと行って株主に還元していこうと考えています。
コーポレート
自社株買いについては、2022年11月17日に自己株式の取得を完了しており、詳細はスライドに記載のとおりです。
コーポレート
ESGやコーポレートガバナンスコードへの対応も粛々と進めています。
コーポレート
個人投資家向けのIRの強化として、積極的にIR活動を実施・継続しており、こちらもご参加いただければ幸いです。また、事業に関する情報等をTwitterにてIR情報として配信しておりますので、こちらもご覧いただければと思います。
Webソリューション事業・事業概要
Appendixをご説明します。Webソリューション事業として、戦略の分析、企画・設計、開発・制作、運用・保守という一連の流れを当社1社ですべてサポートしています。具体的には、クライアント企業が新しくWebを使ったビジネスを考えている時に、当社にご相談いただければ、全部一気通貫で提供するというサービスを展開しています。
Webソリューション事業・事業概要
上場企業、特に新興の上場企業は、専門特化している会社が多いのですが、当社は複合したサービスを一気通貫で提供している点が大きく異なります。
Webソリューション事業・事業概要
当事業の1つの特徴として、売上高における顧客の継続率が非常に高いことが挙げられます。売上高の約8割は既存の顧客で成り立っています。
Webソリューション事業・事業概要
単にスクラッチで全部ゼロから作るのではなく、AWS等のクラウドや、当社が所有するSaaSプロダクトとの併用により、生産性と俊敏性に優れたプロジェクトを進めるというのが1つの特徴になっています。
Webソリューション事業・事業概要
今後の見通し等については、やはりWebソリューション事業は非常に外部環境が良いと考えています。最近はいろいろなお客さまが「デジタル」というキーワードをもとにどんどん新しいWebサービスを考え、それを実行していきたいというニーズが非常に多い環境になっています。
それに伴って、当社のWebソリューション事業も成長してきました。今後も引き続き同じような成長が見込めるのではと考え、事業を進めています。
Webソリューション事業・事業概要
要素として分解しますと、顧客の継続率、新しいお客さまを獲得するタッチポイント数の増加、1件あたりの顧客の単価の向上、これらの掛け算で成長していくのが、基本的な事業の成長モデルであると考えています。
オンラインゲーム事業・事業概要
オンラインゲーム事業として、いろいろなサービスを行っています。自社でもゲームを作りますし、顧客であるゲーム会社さま向けのゲーム開発も行います。また、違うゲーム会社が作ったゲームの運営を当社に移管して運営代行を行い、当社そのもののゲームとしてサービスを提供するという事業も行っています。
今期から売上等については別セグメントとして切り出しましたが、ゲームの運営・開発等にまつわるクリエイター人材を人材派遣する事業も行っています。
オンラインゲーム事業・事業概要
やはりゲーム事業は非常にボラティリティが大きいです。それをなるべく抑えるために、自社ゲームのみならず、いろいろなサービスを展開して、ボラティリティを抑えることを意識して事業を行っています。
人材育成派遣事業・背景
人材育成派遣事業についてです。先ほどお伝えしたオンラインゲームにおけるクリエイター人材の派遣と、新たにWeb系のデジタル人材の派遣も、子会社と一緒に行うようになりました。
外部環境としては、まだまだデジタル人材が社会的に不足しています。その環境に対して、しっかりとサービスを行っていく事業ですので、基本的には右肩上がりで成長していけると考えています。
人材育成派遣事業・事業概要
当社は、未経験者を採用して育成することで、派遣につなげていくところに強みがあると考えています。当社には、ゲーム制作やWebサービス制作等のプロジェクトが多くありますので、そこでしっかりと経験を経て、派遣につなげられるのが、単なる人材派遣会社にはない強みになっています。
人材育成派遣事業・事業概要
事業の根幹を支える採用と育成、また人材を活用させる仕組みを、当社のグループ内でしっかり回せるということが強みだと考えています。
人材育成派遣事業・事業概要
基本的に人材育成派遣事業は、デジタル人材数×単価が売上につながるという計算式で成り立っています。
人材育成派遣事業・事業概要
人材リソースの流動性拡大とノウハウの蓄積を目的に、それぞれの事業でしっかりと人材を回していくことで、1つの価値を提供しています。
子会社(ムービングクルー)・会社概要
子会社についてです。ムービングクルーは、「夢と感動の総合エンターテイメント」というミッションを掲げて行動しています。
子会社(ムービングクルー)・会社概要
事業としては、アピリッツと同様、基本的には戦略・企画のコンサルティングからシステムを開発・運用していくお客さま向けのサービスを一気通貫で提供しています。特に違う点として、スライドに「エンタメ領域に強みあり」と記載していますが、基本的にはアイドル等のファンクラブを中心にサービスを行っている会社です。
子会社(Y’s)・会社概要
Y’sは、「デザインの力でビジネスを加速させる」というミッションを掲げて行動しています。
子会社(Y’s)・事業内容
Webデザイン、コンサルティング、IPデザイン、人材派遣事業を展開しています。中でも人材派遣事業が特に強く、デジタル人材を育成して派遣する事業が主軸となっています。
子会社(Y’s)・会社概要
未経験者の採用・育成が最大の強みで、グループ全体で強力な採用と育成体制を整えています。以上、第3四半期の業績のご説明でした。今後ともアピリッツをよろしくお願いいたします。