2022年11月15日に発表された、株式会社ファブリカコミュニケーションズ2023年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社ファブリカコミュニケーションズ 代表取締役社長 谷口政人 氏
当社の会社概要
谷口政人氏(以下、谷口):株式会社ファブリカコミュニケーションズ代表取締役社長の谷口政人でございます。本日は、2023年3月期第2四半期決算についてご説明いたします。
まず、会社概要を簡単にご説明します。当社は「テクノロジーで社会の課題を解決する」というミッションのもと、主に事業者向けにインターネットサービスを提供しています。
当社グループは、親会社であるファブリカコミュニケーションズと、100パーセント子会社であるメディア4uの2社で構成されています。当社グループの従業員数は、2022年9月30日現在、連結で174名在籍しています。
当社の事業体制
当社グループは4つのセグメントに分かれて事業を進めています。1つ目は、法人向けSMS 送信サービスを展開するSMSソリューショングループ、2つ目は中古車販売の業務支援システム「symphony(シンフォニー)」を提供するU-CARソリューショングループ、3つ目はWebサービスの企画・開発・運営を行うインターネットサービスグループ、4つ目は事故修理や車検整備を提供するオートサービスグループという体制です。
特に業績を伸ばしているのは、SMSソリューショングループとU-CARソリューショングループの2つです。
アジェンダ
本日のアジェンダです。はじめに2023年3月期第2四半期の連結実績、続いてセグメント別実績、最後に業績予想および配当予想の修正についてご説明します。資料33ページ「全社の取組み」以降は、参考資料としてご覧ください。
【連結】FY2023.3 業績サマリー
連結業績についてご説明します。売上高は19億4,700万円となり、創業以来過去最高を更新しています。前年同期比で5億4,500万円増加し、38.9パーセント増となっています。営業利益は3億9,000万円で着地し、前年同期比88.3パーセント増となりました。
経常利益は3億9,200万円で前年同期比64.8パーセント増、当期純利益は2億6,900万円で前年同期比70.3パーセント増となり、大幅な増収増益を達成することができました。
【連結】業績推移(売上高/四半期別)
四半期別の売上高推移です。連結売上高は前年同期比38.9パーセント増で、過去最高売上を大幅に更新しています。要因については、後ほど詳しくご説明します。
【連結】業績推移(営業利益、経常利益/四半期別)
四半期別の営業利益と経常利益の推移です。前期に比べて成長スピードが加速していることがわかると思います。利益率も前年同期比で、営業利益率はプラス5.3ポイント、経常利益率はプラス3.2ポイントと大幅に改善しています。
通期業績予想における進捗状況(売上高)
通期業績ガイダンスに対する進捗状況です。売上高は69億2,200万円の業績予想に対し、第2四半期時点で35億9,500万円、進捗率は51.9パーセントとなりました。前期の進捗率47.3パーセントを4.6ポイント上回り、好調な進捗となっています。
通期業績予想における進捗状況(営業利益)
営業利益は10億9,400万円の予想に対し、第2四半期時点で6億4,900万円、進捗率は59.3パーセントとなっています。直近2期の進捗率である42パーセント、43.1パーセントを大幅に上回ることができました。
通期業績予想における進捗状況(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、7億200万円の予想に対し、第2四半期時点で4億3,500万円、進捗率は62.0パーセントと想定を大幅に上回っています。
【連結】貸借対照表
貸借対照表です。関係会社株式の増加などにより、固定資産は4億8,300万円の増加となりました。自己資本比率は1.4ポイント増加の65.4パーセントとなっています。
【連結】FY2023.3 2Q業績サマリー(1-2Q累計、セグメント別)
セグメント別の実績およびKPI推移についてご説明します。スライドに示している表は、セグメント別の業績サマリーです。主力事業の1つであるSMSソリューショングループの売上高は、前年同期比46.5パーセント増の21億9,200万円となりました。進捗率は53.6パーセントです。
U-CARソリューショングループも順調に業績を伸ばし、売上は前年同期比12.1パーセント増の6億1,600万円、進捗率は48.5パーセントとなりました。こちらは積み上げ型のビジネスで、下期偏重型の計画を立てているため、上期の着地としては順調な進捗状況であると認識しています。
【連結】業績推移(売上高/四半期別/セグメント別)
四半期ごとの売上高の推移です。スライドの棒グラフは、下の層からSMSソリューショングループ、U-CARソリューショングループ、インターネットサービスグループ、オートサービスグループをそれぞれ示しています。
SMSソリューショングループの大幅な伸びにより、過去最高の売上高を更新しました。
売上高推移・営業利益推移(四半期別)
各セグメントの詳細をご説明します。SMSソリューショングループは、売上高は前年同期比56.0パーセント増の12億1,400万円、セグメント営業利益は前年同期比71.3パーセント増の3億8,200万円で着地しました。営業利益率は31.5パーセントとなっています。
新規および既存顧客によるSMS配信数の伸びが好調なことに加え、当期の7月から9月は、新型コロナウイルス感染第7波の急拡大により、自治体の特需利用分も上乗せされ、過去最高売上・セグメント利益を更新しました。
コロナ関連を除いた売上高
コロナ関連の特需が1億5,000万円ほどあり、これを除いた第2四半期の売上高は10億6,200万円となっています。この特殊要因を除いても、前年同期比36.6パーセント増と順調に推移し、成長スピードも加速しています。
主なKPIの推移
法人向けSMSサービスである「メディアSMS」の導入社数については、9月末時点で3,941社で、前年同期比で780社の増加、前四半期比で228社の増加となっています。
スライド右側のグラフでは、広告宣伝費と売上高に占める広告宣伝費比率の推移を示しています。売上増加に伴い広告宣伝費が微増しましたが、コントロールの範囲内であり、概ね想定どおりの新規顧客数を獲得できました。
国内SMS法人市場 配信数シェア
デロイト トーマツ ミック経済研究所が発刊した「ミックITリポート2022年10月号」にて、「メディアSMS」が、2021年度国内法人向けのSMS配信数シェアNo.1を獲得しています。
「メディアSMS」は国内法人向けに特化しており、日本の国内企業のさまざまな業種・業態での用途開発に注力した結果、今回、市場シェアトップになることができました。
2021年度以降、「キャリアアグリゲーター」と呼ばれる携帯電話会社自身のSMS事業部門が台頭してきていますが、当社は国内配信数シェアをキープできていると考えています。
SMS用途別構成比(市場・当社セグメント比較)
SMSの用途別構成比です。スライド左側の円グラフは、国内のSMS配信市場全体の用途別構成比、右側の円グラフは当社の用途別構成比です。最新のレポートも変わらず、当社は国内のコミュニケーションプラットフォームとして重要な位置づけを占める「業務連絡」「督促」「事前通知」において、他社と比較しても配信数ウエイトが高くなっています。
SMSのフィッシング詐欺に対する取り組み
外部環境の変化に関するトピックスをご紹介します。10月27日に、NTTドコモが迷惑SMS対策として「あんしんセキュリティ」というサービスの提供を開始しています。トビラシステムズ社の迷惑情報データベースと照合して、迷惑なSMSと判定されたものを「迷惑メッセージフォルダ」へ振り分ける仕組みです。
キャリアを挙げて全体でSMSフィッシング詐欺の対策を強化しており、より安心してSMSが使えるように、業界全体で努力しています。
売上高推移・営業利益推移(四半期別)
U-CARソリューショングループのセグメント売上高は、前年同期比で11.6パーセント増となり、四半期で過去最高を更新しています。
営業利益は、相次ぐ営業拠点開設により一時的に人件費などが増え、横ばいとなっているものの、順調に推移しています。営業利益率は前年同期より1.1ポイント上がって、28.4パーセントとなりました。
主なKPIの推移
当セグメントのKPIとしている「symphony」の導入社数の推移です。前四半期比で111社増加し、9月末時点で3,552社となりました。レベニューチャーンレートは0.6パーセントで推移しています。引き続き加盟店の支援に注力して、チャーンレートの低減に努めています。
トピックス - 営業拠点の状況
トピックスです。8月16日に熊本支店を、11月15日に北関東支店を開設しました。この2拠点が加わり、U-CARソリューショングループの営業拠点は合計13ヶ所となっています。
トピックス
10月17日にはブラウザ版「symphony」のサポートアプリである「symphonyアプリ」に、車検証の文字認識ができる「車検証OCR」を搭載しました。車台番号やナンバーに加え、車検証QRでは取得できなかった所有者情報、使用者情報、備考欄にいたるまで、瞬時に取り込みが可能となりました。現在はリリースから1ヶ月ほど経っており、加盟店から大変好評をいただいています。
売上高推移・営業利益推移(四半期別)
インターネットサービスグループの売上高は、前年同期比で微増しました。当セグメントは原価および販管費の低減施策を進めており、営業利益の赤字幅は前年同期から縮小していますが、赤字が続いている状況です。
売上高推移・営業利益推移(四半期別)
オートサービスグループです。第2四半期の売上高は3億5,900万円で前年同期比26.8パーセント増、営業利益は2,800万円で前年同期比33.7パーセント増となりました。板金修理事業およびレンタカー事業が堅調に推移し、増収増益となりました。
2023年3月期 業績予想の修正
上期業績を踏まえて、決算発表と同時に2023年3月期通期連結業績予想の修正および配当予想の修正に関するお知らせをリリースしましたので、ご説明します。
SMSソリューショングループにおいて、新型コロナウイルス感染の急拡大によるSMSの一時的な配信数増加を踏まえ、売上・利益ともに前回発表を上回る見込みとなったため、通期連結業績予想を修正しました。
修正後の売上高予想は72億5,000万円、営業利益は12億5,000万円、経常利益は12億2,000万円、親会社株式に帰属する当期純利益は7億8,300万円となります。
2023年3月期 配当予想の修正
上方修正と合わせて普通配当を1円増配し、1株あたり30円とします。今期は創業30周年を迎えたことから、記念配当5円を実施する予定です。これにより、修正後の年間配当金予想は1株あたり35円となっています。
私からの説明は以上です。今後も企業価値向上のため、中長期的視点に立った開発や投資を積極的に行い、持続的な成長を目指していきます。最後までお聞きくださり、ありがとうございました。