1. 【厚生年金】男女の平均月額は14万4366円
まず、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金の受給額事情を男女別に確認します。
1.1 厚生年金の受給額事情をグラフで見る
1.2 厚生年金の平均年金月額
男女全体:14万4366円
- 男性:16万4742円
- 女性:10万3808円
男女全体の平均をみると14万4366円。冒頭でシニア単身世帯の生活費の目安とした「15万円」にほぼ近い金額ですが、男女別にみるとその差は約6万円。年間にして72万円ですね。
さきほどの資料から、年金月額が15万円以上の女性は何%か見てみましょう。
1.3 【女性の厚生年金】年金月額ゾーンごとの受給権者数(1歳刻み)
- 1万円未満 2万8004人
- 1万円以上~2万円未満 6884人
- 2万円以上~3万円未満 6万1267人
- 3万円以上~4万円未満 10万9541人
- 4万円以上~5万円未満 9万4941人
- 5万円以上~6万円未満 10万3206人
- 6万円以上~7万円未満 23万8112人
- 7万円以上~8万円未満 44万9205人
- 8万円以上~9万円未満 69万2135人
- 9万円以上~10万円未満 85万2017人
- 10万円以上~11万円未満 76万8808人
- 11万円以上~12万円未満 57万9740人
- 12万円以上~13万円未満 40万7435人
- 13万円以上~14万円未満 28万8035人
- 14万円以上~15万円未満 20万8976人
- 15万円以上~16万円未満 15万2367人
- 16万円以上~17万円未満 10万9888人
- 17万円以上~18万円未満 7万5929人
- 18万円以上~19万円未満 5万1905人
- 19万円以上~20万円未満 3万7458人
- 20万円以上~21万円未満 2万4850人
- 21万円以上~22万円未満 1万6796人
- 22万円以上~23万円未満 1万976人
- 23万円以上~24万円未満 6934人
- 24万円以上~25万円未満 3951人
- 25万円以上~26万円未満 2188人
- 26万円以上~27万円未満 1098人
- 27万円以上~28万円未満 516人
- 28万円以上~29万円未満 208人
- 29万円以上~30万円未満 144人
- 30万円以上~ 375人
年金月額「15万円以上」の女性は何パーセント?
- 厚生年金受給権者:538万3889人
- うち年金月額15万円以上の人:49万5583人
49万5583人÷538万3889人=9.20%
女性で月に15万円以上受け取っている方は全体の約9%。ちなみに、男性でひと月15万円以上受け取っている人の割合は全体の65%。だいぶ差がありますね。
厚生年金は、現役時代に収入に応じた年金保険料を支払い、納めた保険料で老後の年金額が決定します。つまり、現役時代の稼ぎと年金加入期間が将来の年金収入にダイレクトに響くわけです。
育児や介護などで、離職したり働き方をコントロールする人の割合は女性のほうが多いです。これが、年金額の男女差の背景にあることは確かでしょう。
厚生年金は、国民年金を受取る場合よりも手厚い傾向にあることは間違いありません。とはいえ、男女差、そしてなにより個人差が大きい点は十分に心得ておく必要がありそうですね。
次では、さらなる「年金の盲点」についてお話ししていきます。実は老後の年金は「額面通りには受け取れない」のです。