夏ばて防止の定番はウナギ!
今年も梅雨入り本番です。6月に入り九州から関東甲信越まで梅雨入り宣言がありました。今年の気象庁の予報を見ると海の日過ぎ頃が梅雨明けと予想されています。梅雨明け後は一気に気温が上がり、しかも冷房が本格稼働するため体調管理に悩まされる方も多いでしょう。
そんなときやってくるのが土用の丑の日の「うなぎ」です。2017年夏は7月25日と8月6日の2日が該当日になります。
今年のウナギは安いかも
各種の報道を見ますと、今年はウナギの稚魚の漁獲が増えたためウナギの値段が昨年よりもお手頃になると言われています。この夏の土用の丑の日は「景気づけにウナギ!」と気持ちも高まります。
ニホンウナギは希少資源
しかし、ニホンウナギは2014年、国際自然保護連合により絶滅危惧種IB類としてレッドリストに掲載されました。さらに、水産庁のデータによれば、昭和50年代後半以降ニホンウナギの稚魚であるシラスウナギの採捕量は長期漸減傾向にあります。
国内のウナギの供給量は、昭和60年頃から中国がヨーロッパウナギを養殖し日本に輸出したことで急増し、2000年に15.8万トン(うち輸入13.3万トン)のピークを付けました。しかし、ヨーロッパウナギの資源減少で反転し、2015年の供給量は5.1万トンまで減少しています(うち輸入3.1万トン、養殖2.0万トン、漁業70トン)。
このように、資源としてのニホンウナギはしっかり保護管理を進めるべきであると思われます。ほかの食材も同様ですが、ありがたくいただく必要があることを改めて認識させられます。今後、価格が大きく下がっていくとは考えない方がよいでしょう。
イオン「トップバリュ 白身魚のふっくら蒲焼」登場
しかし、「お手頃価格で蒲焼を食べたい」という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、イオンが1年半以上の開発を経て2017年5月30日から投入したのが「トップバリュ 白身魚のふっくら蒲焼」です。筆者がイオンリテールの店舗に行ったところ、その定価は半身1パック税込645円とお手頃な値段でした。
白身魚の正体、パンガシウスって?
この白身魚はパンガシウスという東南アジアに生息するナマズの仲間です。白身魚として欧米だけではなく日本でも以前から消費されていました。
イオンはこれまでも「トップバリュ 骨取り白身魚」として国内販売をしていましたが、今回これを蒲焼にして消費者に届けることとなりました。同社は環境に配慮した養殖を行うASC(Aquaculture Stewardship Council)認証を取得して、ベトナムで養殖・加工しています。
晩御飯のおかずに食べてみた
そこで、早速近所のイオンに出かけて買ってきました。
ご覧の通り甘辛醤油だれが施してあり、電子レンジで温めればすぐ食べることができます。比較のためにプチトマトを並べてみました。かなり大きいので、家族で分けて食べても十分な量です。
ではいただきます。
本当にウナギ代わりになるのか?
まず味です。個人的主観があることをご了解ください。白身自体の癖は強くなく、蒲焼のたれの味もいい塩梅で、ごはんのお供として十分おいしくいただけました。骨がないのもありがたいと思います。
ではウナギの蒲焼の代わりになるかと言えば、少し違うという感想です。食感はかなり似ていますが、味は微妙に違います。繊細な舌をお持ちの方は、ウナギの蒲焼のことはいったん忘れて、別の料理だと思った方がいいと思いました。
他方で、筆者はパンガシウスの食材としてのポテンシャルも感じました。イオンでは白身魚としても販売していますが、これを揚げ物にしたり、ムニエルなどの洋食風にすると、クセがさらに緩和されて楽しく味わえそうです。
実は、店内で白身魚(バンガシウス)の切り身も探したのですが、残念ながら見つけることができませんでした。次回はぜひムニエルに挑戦してみたいと思います。関心のある方は、イオンのHPにレシピがありますので、ぜひトライしてみてください。
水産資源の枯渇問題はウナギに限った話ではありません。パンガシウスを味わいながら、自然環境の維持について考えるきっかけになりました。また、近畿大学が「ウナギ味のナマズ」を開発していますので、こちらの展開にも期待したいと思います。
LIMO編集部