2022年11月4日に発表された、株式会社クレオ2023年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社クレオ 代表取締役社長 柿﨑淳一 氏
株式会社クレオ 執行役員 管理総括責任者 兼 管理本部長 兼 経営企画室長 鳥屋和彦 氏
2023年3月期(第2四半期)ハイライト
鳥屋和彦氏:おはようございます、管理総括の鳥屋でございます。本日は、当社決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。2023年3月期の決算概要について、私からご説明します。
まず、上期業績のハイライトです。売上高は前期比横ばい、営業利益は、第1四半期よりソリューションサービス事業の高原価プロジェクトが発生したため、前期比で1億800万円の減益となりました。
自己株式は、発行済株式総数に対して0.75パーセントを消却しています。そして、5月から7月にかけて、上限いっぱいの25万株の自己株式を取得し、発行済株式総数に対する割合は2.91パーセントとなりました。
通期業績については、IT投資がまだまだ活発で受注も堅調ですので、増収を見込んでいます。
利益面では、ソリューションサービス事業の高原価プロジェクトが早期に収束し、新規顧客獲得の営業活動が活発化すれば、増益になると見込んでいます。
2023年3月期(第2四半期累計)連結業績概要
連結業績概要です。ソリューションサービス事業を除くすべての事業が伸長し、売上高は前期比0.1パーセント増の71億7,300万円となりました。
営業利益はソリューションサービス事業の不採算プロジェクトによる影響を受け、前期比22.9パーセント減の3億6,600万円の減益となりました。経常利益は、前期比26.5パーセント減です。
純利益は、前期比14パーセント減の2億1,900万円です。これは営業利益に紐づくものですが、前期に移転とソフトウェアの特別償却を行った関係で、前期比マイナス3,500万円となっています。
四半期別の売上高推移
四半期ごとの売上高の推移です。サポートサービス事業とシステム運用・サービス事業は、ここ3年間ほど、横ばいで安定しています。また、受託開発事業は第2四半期、第4四半期に大きく伸びています。
ソリューションサービス事業は例年、第2四半期、第4四半期で大きくプラスとなりますが、今期は少しマイナスとなっています。
四半期別の営業利益推移
四半期ごとの営業利益の推移です。棒グラフの赤色のソリューションサービス事業は、第1四半期からマイナスが発生し、第2四半期も前期比でマイナスとなっていますが、その他の事業は堅調に推移しています。
セグメント別業績
セグメント別では、ソリューションサービス事業は高原価プロジェクトの発生により、売上高は前期比14.5パーセント減、営業利益は前期比49.4パーセント減です。
受託開発事業は、主要顧客からの受注増により、期首の時点で約2割の受注残がありました。そのため、立ち上がりからリソースを手厚くし、体制を整えた結果、売上高は前期比19.9パーセント増、営業利益は前期比31.8パーセント増となりました。
期首の4月と同様に、9月末の受注残も昨年度より大きくなっているため、下期も堅調に伸びていくと考えています。
システム運用・サービス事業は、国内大手ポータルサイトと医療サービスの受注拡大により、昨年の下期から受注が膨れ上がり、さらに今期の第1四半期、第2四半期でも続いているため、売上高は前期比10.6パーセント増、営業利益は28パーセント増となっています。
サポートサービス事業は、前期は調査サービス部門の立ち上がりの遅れがあり、その分の受注減がありましたが、売上高は反動増で前期比1.8パーセント増、営業利益は18.8パーセント増となっています。
2023年3月期(第2四半期累計)セグメント別売上高の概要
セグメント別の売上高について、前期比・計画比を記載しています。
2023年3月期(第2四半期累計)セグメント別営業利益の概要
セグメント別の営業利益について、前期比・計画比を記載しています。
2023年3月期 通期業績予想 ※変更なし
通期業績予想ですが、5月に発表した予想から変更はなく、売上高は前期比3.8パーセント増の153億5,000万円、営業利益は前期比16パーセント増の12億3,000万円となっています。過去最高値を目指して、予想を変更せずに推進しているところです。
2023年3月期(第2四半期累計)対通期計画値進捗
通期計画に対しての進捗状況ですが、売上高の進捗率は46.7パーセントとなっています。上期が終わった時点では、ほぼ例年どおりです。営業利益の進捗率は計画値では約35パーセントでしたが、実績は29.8パーセントの進捗率です。
例年、35パーセント強の進捗率であれば、計画を達成できるような推移ですが、今年も下期偏重に変化はありませんので、第4四半期に向けてしっかりと受注を獲得し、通期達成を目指していきたいと考えています。私からは以上となります。ありがとうございました。
重点施策
柿﨑淳一氏:みなさま、本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。クレオの柿﨑でございます。私から重点施策とトピックスについてご説明します。
重点施策を4つ挙げています。1つ目は、先ほど来、高原価プロジェクト等についてご説明していますが、大型プロジェクトのマネジメント強化を重点施策として位置付けています。スライドには施策をいくつか記載していますが、昨年から実施している大規模かつ難易度の高い既存顧客のシステム再構築案件においては、これまで以上にプロジェクトの実施体制とマネジメント強化が必要になってきています。
中長期でお付き合いさせていただいているお客さまの案件ですので、このプロジェクトが収束して稼働した後にも引き続きお付き合いさせていただき、収益貢献していくプロジェクトと位置付けています。戦略的な受注ということで、収束に向けて努力している状況です。
大型プロジェクトでは、「受注判定/受注条件」のチェックプロセスをより強化し、プロジェクトの品質状況等の可視化、数値的な分析をより細かく行うことがポイントとなります。現場だけではなく、全社的にプロジェクトを監視し、リスクマネジメントを強化することで、基本のマネジメントをベースに、よりきめ細かなマネジメントを行っていきます。
次に、高収益モデルへのシフトでは、4点のポイントがあります。1点目の「ZeeM(ジーム)」製品の導入プロセスの標準化では、特に型化によって生産性向上を図ります。お客さまごとの個別の対応を極力抑えながら型化し、生産性、収益率を上げていきます。第2四半期以降で型化を展開しており、成果はこれからですが、確実に効果が出ていくと考えています。
2点目は受託開発事業の選択と集中です。継続性・将来性のある分野において、特にメーカー、SIer(システムインテグレーター)におけるシステム構築の案件で、これまで以上に業種に特化していきます。さらに、新しく将来性のある分野にチャレンジしながら、選択と集中を行っていきます。
3点目はシステム運用・サービス事業の高効率化です。こちらはココト社が中心になりますが、人に依存しないような、システムの監視業務の自動化をより進展させながら、高効率化による高収益モデルへとシフトしていきます。
4点目はアマノ社競業スコープの拡大です。これまで行ってきたアマノ社の就業管理と、当社の人事給与のソリューション連携について、HRテックを主軸にしたクラウド連携を拡大していきます。それとともに、アマノ社に対する開発支援のスコープをより拡大します。受託開発事業の選択と集中とも重なりますが、新しい軸となる、将来性のあるお客さまへの対応に努めていきたいと考えています。
次に、DX支援・クラウドシフトです。HRテックのソリューションサービスを拡充して、そのベースになるクラウドベンダーとの共創を促進し、DX基盤を強化していきます。さらに、これまでとは異なるデジタルビジネスの創出に注力していきたいと考えています。
最後は人財投資です。今期はベトナムのインディビジュアルシステムズ社(IVS社)との資本提携により、オフショアを強化しています。それを基軸にして、当社社員のグローバル人財の育成を進めています。
デジタル人財の部分では、DX人財の育成とリスキリングを行っていきます。アフターコロナにおいて、多様な働き方へ対応できるよう人的資本の強化を図るべく、さまざまな制度改定も進めているところです。
トピックス①【人財投資】ベトナム企業との連携
ここからはトピックスになります。1点目はベトナム企業との連携ということで、2018年11月にベトナム・オミネクスト社と資本業務提携しました。さらに今年5月に、ベトナムのIVS社と資本業務提携しています。IVS社の代表は日本人ということもあり、強固な資本提携をしながらオフショア化を推進していくことになります。
この資本業務提携は、ベトナムの人財により国内のSE不足を補い、コストの優位性を活かしながら、システムサービスを拡充することを目的としています。
トピックス② 【人財投資】滋賀大学との産連携協定締結
トピックスの2点目は、滋賀大学との産学連携協定締結です。産学連携の主な目的は、社内デジタル人財の拡充です。人事分野のデータを利活用するクラウドサービスを創出するため、データサイエンス分野、データ分析、アナリティクスを利用した共同研究を行います。
若手、中堅も含めて、デジタルデータが扱える人財育成を目的とし、教育カリキュラムの充実や共同研究なども進めていければと考えています。
以上、重点施策を着実に実施することで、通期業績目標を達成し、さらには企業価値向上に向けたさまざまな施策の実行に努めていきたいと思っています。引き続き、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。