2022年10月27日に行われた、フジオーゼックス株式会社2023年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:フジオーゼックス株式会社 代表取締役社長執行役員 辻本敏 氏

目次

辻本敏氏(以下、辻本):みなさま、こんにちは。本日はフジオーゼックス株式会社の2023年3月期第2四半期決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長の辻本敏でございます。本日の決算説明は、スライドに記載の項目に従って進めます。

会社概要

会社概要です。当社は、あらゆる業界の内燃機関メーカーに、エンジンバルブおよびその関連部品を納めている独立系の部品メーカーです。本社は静岡県菊川市です。2022年3月期の売上高は223億円、営業利益は15億7,000万円となりました。

創業は1952年で、本年で創立70周年を迎えます。大株主は大同特殊鋼、大同興業で、保有比率は合計で51パーセントです。

事業概要

事業概要です。当社はエンジンバルブのトップメーカーとして、自動車はもとより、二輪、産機、建機、農機、船舶と、幅広いお客さまとの取引があります。

親会社である大同特殊鋼との共同開発による材料や、自社開発の設備、高い技術力による提案力が当社の強みです。近年では、エンジンの熱効率改善に貢献する中空バルブの開発・増産に注力した結果、お客さまによる採用が増加しています。

長期事業環境

長期的な事業環境認識については、年初より変更はありません。半導体等の調達問題による生産の停滞が見られますが、長期的には販売台数の伸びと電動車比率増大のトレンドが継続しています。

既存のエンジンバルブ事業においては、より高いエネルギー効率と、代替燃料に対する製品開発が必要です。合わせて、エンジン減少時代に備えた新事業開発によって持続的な成長を担保したいと考えています。

業績ハイライト

2023年3月期第2四半期の決算概要についてご説明します。2022年3月期第2四半期は、決算期統一のため、在外連結子会社は9ヶ月決算となっています。スライドの表には、その影響を除いた場合の各項目を参考として載せていますのでご参照ください。

当社は、売上高・営業利益・営業利益率を重要な経営指標と捉えています。売上高は111億5,300万円、前年同期比でマイナス4パーセントの減収ですが、前期の決算期統一影響を除いた場合との比較ではプラス10パーセントの増収となりました。

営業利益は6億1,000万円と、前期比でマイナス46パーセントの減益ですが、前期の決算期統一影響を除いた場合との比較ではマイナス18パーセントの減益となりました。減益の主な要因は、原材料価格やエネルギー価格の高騰です。

売上高/営業利益 推移

売上高・営業利益の推移です。2021年4月頃より、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から波及した半導体や部品の不足は継続していますが、海外子会社売上高の為替換算差もあり、円ベースでは増収傾向です。

一方で、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻や為替相場の急激な円安などの影響で、原材料およびエネルギー価格が高騰し、利益は圧迫されている状況です。現在、原価低減および売価転嫁に取り組んでいますが、半期程度の時間差が発生し、収益低下を余儀なくされています。

営業利益の変化要因(前年同期比)

営業利益の変化要因分析です。前期の11億1,800万円からの減益要因として、決算期変更によるものが3億7,300万円、原材料・エネルギーコスト増などによるものが3億6,700万円です。増益要因として、原価改善効果によるものが1億8,900万円、為替変動によるものが4,300万円で、合わせて1億3,500万円の減益により営業利益は6億1,000万円となりました。

バランスシートの状況

バランスシートです。売上の増加により、現金及び預金、預け金などが増加し、資産合計は10億9,300万円増加しています。自己資本比率は前年度から0.3ポイント上昇し、77.9パーセントとなっています。

キャッシュフロー

キャッシュフローです。2020年3月期まで継続していた中空弁および海外の増強投資が一巡したため、営業キャッシュフローが拡大し、現金・現金同等物は前期より7億8,100万円増加しました。

業績見通し ハイライト

業績の見通しです。2023年3月期の通期業績予想は、2022年4月27日に公表した予想から修正しています。売上高に海外子会社売上為替換算差および材料サーチャージによる販売単価アップを織り込み、経常利益に為替換算差益を織り込んだ結果、それぞれ増額しています。営業利益についての変更はありません。

株主還元

株主還元については、2022年度は配当性向30パーセントを目標に、収益力の向上および財務体質の強化を図りながら、安定的かつ適正な利益還元を実施していきます。

今期の中間配当金は65円に決定しました。期末配当金は65円を予定しており、通期で130円、配当性向は29.7パーセントとなる見込みです。

新規事業について

中期経営計画の進捗についてご説明します。昨年6月公表の2023年中期経営計画で掲げた、新規事業に関する進捗状況です。新規事業については、3つのアプローチから新分野の探索を行っています。

1つ目は、業界を問わず有望な企業のM&Aを実行するというものです。2022年度は案件募集を継続しながら、1件以上の年度内最終合意を目標に、これまでに絞り込んだ相手先へのコンタクトを開始しています。

2つ目は、成長分野・シナジーを活かせそうな事業を立ち上げるというものです。これについては、一部で商品化をイメージした試作品製造を開始したものがありますが、より具体的な報告ができるように努めていきます。

3つ目は、当社グループ企業と協業で事業探索を行うというものです。すでに移動コンビニ事業を立ち上げ、この4月から地元の静岡県菊川市内の企業十数社や、市営住宅などを対象に活動を開始している他、同県御前崎市と連携して事業拡大を図っています。

また、デイサービス事業の拡充についても、現在具体的な案件の検討を行っています。詳細が決まり次第ご報告します。

カーボンニュートラルへの取り組み①

SDGsへの取り組みをご紹介します。当社グループではカーボンニュートラルへの取り組みとして、CO2排出量の削減目標を2023年までに20パーセント、2030年までに50パーセントと定め、再生可能エネルギーへの転換や省エネなどの活動を行っています。

カーボンニュートラルへの取り組み②

太陽光発電拡大への取り組みとして、本社・静岡工場で昨年稼働を開始したステップ1の900キロワット発電に続き、ステップ2の3,000キロワット発電の設置工事を開始し、年度内での発電開始を目指しています。このほか、国内外子会社でも設置を進め、グループ全体で合計1万キロワットを発電する計画を推進しています。

CO2排出量

CO2排出量の推移です。2023年3月期第2四半期のCO2排出量は1万400トンでした。今年2月より稼働を開始した太陽光発電の効果により、同程度の生産を行った年度と比較しても排出量は減少しています。今後は太陽光発電と各種省エネにより、目標達成に向けてCO2排出量を削減していきます。

以上をもちまして、2023年3月期第2四半期決算説明を終了します。ご質問、お問い合わせ等がございましたら、経営企画部までお気軽にご連絡をお願いします。ご視聴いただき誠にありがとうございました。

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