1. 教員の給与は人事院勧告の民間準拠
公立学校の教諭は地方公務員であり、採用試験も各自治体で行われています。しかし、給与は全国統一ではありませんが、国家公務員の給与改定を担う人事院勧告を基にして決められています。
人事院勧告では「民間準拠」と民間企業の給与を参考にしていますが、主に大企業の数値に近いです。そのため、地方公務員でも大企業並みの給与体系となっており、毎月の月給だけでなく退職金も大企業並みになっています。
企業規模や職種により給与が異なるのは知られていますが、退職金もかなりの違いがあります。
日本経団連が2022年3月に公表した「2021 年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」では、経団連の企業会員、東京経営者協会の会員企業のうち276社(従業員500人以上規模72.5%)からの回答を基に退職金をシュミレーションしています。
同調査で、「大学卒(勤続年数38年)」かつ「管理・事務・技術労働者(総合職)」「標準的に昇進・昇格した者を対象に算出」の退職金は2243万3000円でした。
人事院が発表している「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る人事院の見解の概要」でも、民間企業の退職金は約2400万円としています。
このように、大手企業に大卒で入った場合の退職金は2000万円以上が相場だということが分かります。
教諭の定年退職金も校長や教諭の等級によりベースとなる給与が異なりますが、概ね民間準拠に照らし合わせて「2000万円」というのが目安になっています。