秋が深まっていき、受験シーズンの足音が少しずつ聞こえてくる季節になりました。中学から大学の全ての受験で共通しているのが、受験生が「偏差値を気にする」という点です。

模試の成績と志望校の偏差値の開きがあるかどうか一喜一憂し、少しでも近づくまたは目標とする偏差値を越えて合格を手繰り寄せたいと考えます。

偏差値は進学する上で合否を左右する大きなカギを握るものですが、それだけでなく人生の成功を決めてしまうような傾向もあります。しかし、偏差値のみで将来が決まることはありません。

今回は、高偏差値でなくても社会に出てから活躍する将来性の高い子どもの特徴をご紹介していきます。

偏差値50未満の高校

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出所:maroke/shutterstock.com ※画像はイメージです

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一口に偏差値と言っても、問題の難易度により高く出るものと低く出るテストや模試があります。

そのため、ここでの「偏差値50未満」は、高校でいえば国公立大学進学者が少なく、知名度が高くない私立大学進学者や専門学校進学者が多い普通科の学校とします。

世間的には進学校とみなされず、共通テストや大学入試に対応しているとは言い難い教科書を使用している学校です。

将来やりたいことを見つけておらず「とりあえず普通科に進学した」という生徒もいます。看護科や工業、農業のような専科とは違い、三年間で就職に強い専門的な分野を学ぶわけではないため、偏差値50未満の普通科に進学すると、将来の選択肢が狭まったという印象があります。

たしかに、大学進学を漠然と考えても、進学校に比べて使用している教科書も基本的な内容が中心であり、国公立大学や有名大学を突破するのは至難の業です。

それでは全ての生徒が絶望的なのかというと、そうではありません。たとえ偏差値50未満の学校に進学しても、誠実さと前向きさやチャレンジする気持ちを持っていれば、社会に出てから成功する可能性が高まります。

誠実さは偏差値を越える

偏差値が高いからといって人間性が高いとは限りません。地域のトップ高校や有名大学を出ていても誰かを陥れたり、平気で嘘をつく人と積極的に関わりたいと思う人はいないでしょう。

誠実に物事に取り組み、自分の足りない部分を自覚し努力する子どもは、今は芽が出なくても社会に出てから周囲の信頼を勝ち取ります。

サークル活動やアルバイト先、就職先など様々な場面で「誠実さ」は成功する際に欠かせないポイントです。

偏差値50以上の高校に進学しても、ずっと「やればできるんです」と言って何も着手しない子や、他の子に対してマウンティングしている子は、関わるだけでも疲れてしまいます。

そして、学力に関係なく努力している子と揚げ足取りばかりしている子とでは、周囲からの評価は雲泥の差が出ます。小学生の頃は世界も狭く「ああいう性格だから」と済まされてしまいますが、進学を重ね社会に出ると自ずと住む世界も広がっていきます。

良い高校に行き良い大学に進学しても、成長すればするほど周囲から得られる評価は学力だけで判断されるのではなく、人間性の重要性が増していきます。

「他人の話に耳を傾ける姿勢や努力」は運命を好転する力がある

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出所:metamorworks/shutterstock.com ※画像はイメージです

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同様に、他の人の話に耳を傾ける姿勢も重要です。

筆者が塾で仕事をしている時、理解度はゆっくりでも努力をし続け、授業中の態度も良く集中力もある、勉強や学ぶ姿勢に問題がない子がいました。

結局、偏差値50未満のいわゆる「勉強が苦手な子が集まる高校」に進学したのですが、思いもよらぬ出来事が次々に起こりました。

授業態度が真面目で部活動にも打ち込んでいたため、クラス内や学年でも一目置かれる存在になり、クラス委員や部活では要職に就くなど中学時代とは打って変わって「優等生」になったのです。

生徒本人は中学時代は「自分は勉強が苦手」と思っていました。しかし、中学時代に塾で真面目に基本問題をコツコツ解いていたこともあり、定期テストで出される中学の復習を含めた基本問題もスラスラ解けて学年でもトップクラスになり、自信を深めていったそうです。

その後、中堅高校の成績中位以下では合格するのが難しい「専門性の高い大学」に指定校推薦で入学しました。

偏差値だけでは将来の有望さを語ることはできない

社会に出てからの職業選択の面でも、高学歴や専門性が高い学歴がある方が待遇の良い職場に就職できます。その一方で、結局は「人と人の繋がり」や「人に対してどのような態度で接するのか」がその人の立場を決めます。

いくら才能があり高学歴でも、平気に嘘をつき人を傷つけるのであれば、遅かれ早かれ信用は失墜します。

偏差値で語られることが多い子どもの将来性ですが、結局は学力以上に本人の真面目さや努力する姿勢がカギになります。

文部科学省ではすでに平成3年の時点で「偏差値偏重から個性尊重・人間性重視へ」としている3/3

文部科学省ではすでに平成3年の時点で「偏差値偏重から個性尊重・人間性重視へ」としている

出所:文部科学省「高等学校教育の現状」

たとえ偏差値50未満の学校に進学しても、真摯な姿勢は教職員やクラスメイトから信頼され評判を呼び、今までに感じたことのない「自分はできる子」と感じるようになります。

学力はもちろん大切ですが、人間として大切な誠実さや真面目さや努力を重ねていくことで「本当に将来性が高い子」になるのではないでしょうか。

参考資料

中山 まち子