「丸亀製麺」を運営するトリドールHD(3397)は、2023年第1四半期が第1四半期として最高益を達成しました。

好調な業績を受けて株価も上昇しており、上場来高値を更新しています。

第2四半期の決算発表時に通期予想の見直しも検討するトリドールHDの、今後の業績及び株価の行方が注目されます。

「丸亀製麺」を運営するトリドールHDの第1四半期が過去最高益に

讃岐うどん店「丸亀製麺」などを運営するトリドールHDが、コロナ禍からいち早く業績の回復を見せています。2022年3月期第1四半期(Q1)の四半期利益はコロナ禍前を上回り、Q1としては過去最高益を計上。事業利益(売上収益-売上原価-販管費)もQ1としては過去最高益となりました。

「丸亀製麺」の増益が第1四半期の過去最高益の原動力に

トリドールHDの主力事業は「丸亀製麺」です。その「丸亀製麺」事業の過去最高益であった2020年3月期Q1との比較は下記となります。

  • 2023年3月期Q1 売上収益252億円、事業利益38億円
  • 2020年3月期Q1 売上収益240億円、事業利益34億円

過去最高益を計上した2020年3月期Q1比で、2023年3月期Q1は事業利益で+4億円となりました。コロナ禍前の海外観光客からのインバウンド需要があった時期と比較しての増益であり、「丸亀製麺」は完全復活したに留まらず、新たな成長に入りつつあるといえるでしょう。

ハワイ店が有名、注力中の海外事業は増収も減益に

同社は現在、海外事業の展開に注力中です。2023年3月期は出店の大半が海外でなされ、海外店舗は前期比で100店舗以上の増加を予定しています。

「丸亀製麺」はハワイでの店舗が大人気になるなど、メディアで海外店舗の好調さが紹介されることもあります。しかし、海外事業の2023年3月期Q1は売上収益126億円(前年同期比+35%)、事業利益4億円(同▲21%)です。

積極的な出店により増収は果たしたものの、マーケティング費用や人件費の増加により減益となっています。

海外は国内に比べいち早くコロナ禍前の生活が戻りつつある中で、投資を続ける海外事業が順調に成長するのか、今後の海外事業の行方が注目されます。

手堅く成長する「その他事業」

トリドールHDは「丸亀製麺」や「トリドール」以外にも、様々な店舗を展開しています。「丸亀製麺」以外のブランドは「その他事業」でセグメント化されていますが、「その他事業」が手堅い成長を見せています。

「その他事業」は、2016年に子会社化したラーメン店「ずんどう屋」中心に堅調に推移中です。今期24店舗の店舗増加予定であり、国内での注力業態です。

「その他事業」は2023年3月期Q1 売上収益58億円(前年同期比+28%)、事業利益7億円(同94倍)となり、「その他事業」もQ1としては過去最高益を計上しました。

利益も計上しながら手堅い成長を見せており、「その他事業」は先行投資がかさむ海外事業の利益のカバー役を果たす役割を果たしています。

トリドールの株価は2021年の上場来高値の更新を達成

トリドールHDの株価は2021年11月の3050円が上場来高値となっていました。

その後コロナ禍とともに2000円台半ばを上下していましたが、2022年8月の2023年Q1の決算発表を受けて株価は急騰し3000円を回復。更に2022年9月に入ると2021年11月の3050円を超えて上場来高値を更新しており、直近では3100円を前後していました。

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各種資料をもとに筆者作成

各種資料をもとに筆者作成

今は上場来高値付近での推移ですが、堅調な業績を背景に更なる株価上昇を見せるのか、今後のトリドールHD株の行方が注目されます。

トリドール、通期予想は上方修正の可能性も、第2四半期決算発表時に新たな見通しの開示を検討中

トリドールHDの2023年3月期は売上収益1770億円(対前年同期比+15%)、事業利益62億円(同+14%)の予想です。

しかしQ1の堅調な業績を受けて、第2四半期決算発表時に新たな見通しを開示する方向で検討中、と同社は発表しています。

国内でも徐々にウィズコロナの生活様式が浸透しつつあります。また2022年10月には本格的な海外からの観光客受け入れも始まる中で、堅調なトリドールHDの業績及び株価はどのような推移を見せるのか、今後の行方が注目されます。

参考資料

石井 僚一