2022年9月21日に発表された、株式会社ファーマフーズ2022年7月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社ファーマフーズ 代表取締役社長 金武祚 氏
株式会社ファーマフーズ 専務取締役 益田和二行 氏
2022年7月期決算説明会
金武祚氏(以下、金):みなさま、こんにちは。代表取締役の金武祚でございます。よろしくお願いいたします。
ご承知のとおり、当社は今年で25周年を迎えることができました。おかげさまでプライム市場に上場することができましたので、この場を借りてお世話になりましたみなさまに感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
今期から26期に入りましたが、私たちはこれからまったく新しいチャレンジを行っていきます。言い換えますと、第2ベンチャー創業というイメージで進めたいと思っています。
私たちは機能性食品、機能性化粧品、医薬と創薬の3部門に取り組んでいますが、もう一度原点に戻ると言いますか、当初ゼロからスタートして今まで培ってきたこの3部門について、積極的な投資を行いたいと考えています。
また、自らが機会を作り戦略的に投資することで、今後10年、20年と当社がヘルスケア分野のリーディングカンパニーになるべく、努力したいと思っています。そのために1年前から「1Kプロジェクト」を進めていますので、そちらも併せて後ほど詳しくお伝えします。
セグメント別ハイライト
益田和二行氏:管理部門の担当役員の益田です。本日はよろしくお願いいたします。それでは、決算についてご説明します。
まず、ハイライトです。連結業績について、今回は研究・広告・アライアンスの構築に積極的に投資してきました。その成果が出るのは今年もしくは数年後かもしれませんが、冒頭で金がお伝えしたとおり、今後成長するだろうという自信のある分野に積極的に投資し、拡大路線をまだまだ続けていきたいと考えています。
BtoB事業は、去年からグループインした明治薬品の医薬品製造受託事業が非常に堅調に推移しています。1年前と今ではまったく利益構造が変わっているため、後ほど詳しくご説明します。
「ファーマギャバ」の売上も引き続き好調で、特に北米と中国向けは増加しています。一部地域では輸出入の関係で少しトラブルもありましたが、北米・中国についてはそのような大きな問題もなく、順調に伸びています。
BtoC事業は通販事業が主ですが、2年前に「ニューモ育毛剤」の売上がかなり増え、こちらに続く商品を作らないといけないということで、各社で成長しているアイテムが出てきています。売上が2桁億円の商品が今のところは5つから6つあり、今期に3桁億円を達成するかどうかも注目していただければと思います。
バイオメディカル事業は、ファーマフーズとしてこれから最も力を入れていく事業です。特許やAI創薬への取り組みを基軸に置き、あらゆる研究機関と共同開発を進めてきました。
その結果、去年にやっとスタートラインに立てたというところで、今年はより大胆にいろいろなものが動き始めるのではないかと全社員で期待しています。こちらも後ほど詳しくご説明します。
連結売上高
みなさまはすでにご存知かと思いますが、売上高は前期比28.7パーセント増の601億8,500万円で、目標としていた600億円はなんとかクリアすることができました。その他の細かい内訳に関してはスライドに記載のとおりです。
セグメント利益
利益は10億8,000万円となりました。さらにいろいろな成長分野に積極的に投資したかったのですが、時期のズレやタイミングもあり、このような結果になりました。
株主や投資家のみなさまからは「本当に大丈夫だろうか?」というご心配の声があることも聞いています。繰り返しになりますが、我々としては今後も積極的に成長事業に対する投資を進めていきたいと思っています。その集大成が、先ほど金がお伝えした「1Kプロジェクト」になると確信しています。
短期的な利益よりも長期的な成長を選んでいる段階のため、今は生みの苦しみのような部分もあるとは思いますが、一つひとつをご覧いただければ非常に魅力的で、期待できる内容になっているかと思います。そのあたりも併せてご理解いただけるようにご説明に努めていきたいと思います。
営業利益増減分析
販管費の内訳です。「広告宣伝費の割合が多いのではないか」など、いろいろなご批判はあると思います。繰り返しになりますが、このあたりは後ほどしっかりとご説明したいと思います。結果として、10億8,000万円の利益となりました。
連結四半期業績推移
四半期ごとの推移です。スライドのグラフのとおり、売上は順調に伸びてきています。投資が増えた第3四半期は、2021年第1四半期に「ニューモ育毛剤」に投資したのと同じ現象が見て取れます。このあたりは今後の推移を見守っていただき、判断していただければと思います。我々としては非常に適切な投資だったと今でも信じています。
アイテム別売上
部門別にご説明します。2022年7月期第2四半期から「CMO」「CHC」が追加されています。明治薬品での受託部門と、ドラッグストアおよび主に中国の越境ECの売上です。こちらが去年までと違う数字となっているため、ご覧いただければと思います。
機能性表示食品受理件数
機能性表示食品についてです。GABAの採用がどんどん増えています。まだ発表はありませんが、特にドラッグストアやコンビニエンスストアのPB商品などへの積極的な採用が決まりつつあります。
ストレスや睡眠など今日的な話題となる疾病をカバーできるということで、GABAの採用は引き続き増えてきているということです。GABAはまだまだ可能性があると信じ、研究・販売を推進していきたいと考えています。
ファーマギャバ(国内)
採用例です。明治、コカ・コーラ、江崎グリコなど代表的なものを載せています。これらは販売を継続していただいており、売上の柱となっています。
ファーマギャバ(海外)
海外向けのGABAの採用例です。左から、ベトナムのTH Milk、韓国のAMORE PACIFICのサプリメント、アメリカ・カナダで販売しているNatural FactorsのGABA、中国で販売しているAmwayのGABAと、大きなメーカーの採用が続いています。
ベトナムのTH Milkに代表されるように、東南アジアでの引き合いも非常に強くなっています。2年から3年前に我々の代表がベトナムに行って開拓したところも花開きつつあるため、今年期待していただければと思います。
ファーマギャバ
「ファーマギャバ」は残念ながら売上高は国内でやや減少しましたが、中国と北米では引き続き好調となっています。大きな動きとしては、アメリカの「GRAS」の取得に関して全社の力を集結しているところですので、こちらを取得できれば非常に大きな飛躍になるのではないかと信じています。
さらに、ハラル、コーシャなど認証の取得などは順次行っているため、これからますます一般化していく流れになり、追い風となってきているかと思います。海外を中心にどんどん広げていきたいと思っています。
また、国内では今まで原料で売っていたものを最終商品で売るなど、売上の増加を狙っています。ODMということで、商品を設計し販売するということも営業部で積極的に行っています。当面は同部門で売上高100億円を目指すということで、そのような新しい取り組みにも積極的にチャレンジしている最中です。
今年から少しずつ成果が出てくるかと思いますので、期待していただければと思います。
医薬品製造受託(CMO)事業について
CMO事業についてです。前期にグループインした明治薬品は工場を持っているため、工場での受託になります。9月1日から私が社長に就任しましたが、その時の工場の稼働率は60パーセントほどでした。現在は、104パーセントから105パーセントの稼働率となり、収益性は非常に回復してきていると思っています。
また、20年間くらいの歴史がある受託事業ですが、低価格での受注が非常に多かったため見直しを行いました。前期の段階でかなりの数のメーカーと相談してご理解いただき、受注単価のアップを了承していただいています。
そのため、今期からは非常に利益率の高い工場となり、その利益は今後の自動化や、昨今コンプライアンスが非常に厳しくなってきているため、環境への投資に回していくことで、どこにも負けない工場になるのではないかと自負しています。
今年4月に富山県からの査察もありましたが、こちらも当然クリアすることができました。昨今起こっている医薬品業界での問題に対して、コンプライアンスをしっかり守る体制を維持できるように努力しています。
ここまでが近況の報告になります。利益に反映してくるのは今期からになるため、そのあたりも注目していただければと思っています。
四半期業績推移
四半期の業績推移です。明治薬品が加わったことにより、売上の幅も広がってきました。また、先ほどお伝えしたとおり、工場を持っていることで最終商品でのビジネス展開も可能となっています。今期からはさらに相乗効果を発揮し、BtoB事業にも期待できるのではないかと考えています。
新主力商品が着実成長
BtoC事業です。グループ内でBtoC事業を行っているのは、本体であるファーマフーズ、東京にあるフューチャーラボという化粧品の販売会社、医薬品やサプリメントを扱っている富山の明治薬品の3社です。
「ニューモ育毛剤」は爆発的に売れました。それに続く商品としては、まつ毛美容液、オールインワンクリーム、白髪染めがあります。また、最近発売したジェルで歯を磨くホワイトニングジェルがあります。加えて、明治薬品で販売している機能性表示食品、医薬部外品の「ラクトロン」などが非常に成長しています。
終わった期の決算説明会の場でお伝えするのが適切かはわかりませんが、昨日の日曜日にこれらを合わせて1万件の定期顧客の獲得に初めて成功しました。1日に1万件の定期顧客獲得は、我々が10年間行ってきた通販で初めてのことです。ますます励みになったと思っています。
「ニューモ育毛剤」だけではなく、スライドの写真の商品をまんべんなく受注して1万件という数字が達成できたため、今後もまだまだ可能性のある分野として引き続き注力したいと考えています。
アイテム別売上高
アイテム別売上高です。「ニューモ育毛剤」の売上の割合は減っていますが、他の商品がカバーしています。加えて、8月から広告の効率が飛躍的に上がっており、今期はさらに期待できる結果となると見ています。さらに「ニューモ育毛剤」の復活も見えているため、注目していただければと思います。
広告宣伝費と定期顧客件数
定期顧客件数は一時期大きく減ったものの、第4四半期に100万人を突破し、現在はもう少し増えている状況です。新商品のラインナップや広告の改善がありますので、ここからさらにアクセルを踏み、売上と利益に貢献したいと思っています。
広告費については、「広告費で売上を買っているだけで、利益のことはまったく考えていないのではないか」というご指摘をいただくことはあります。結果の数字だけを見ると、そのようなご指摘をいただくことは致し方ない部分もあることは確かです。
しかし、繰り返しお伝えするように、我々はCPOを厳格に管理することにより、広告1件に対してどれだけのリターンがあるかをきちんと計算し、広告宣伝費をかけています。
ですので、売上が下がったから広告費で売上を買おうなどという考え方はまったくありません。そのあたりはもう少し結果を出さないとなかなかご理解いただけないと思いますので、結果を出すことで証明したいと思っています。
5万円、10万円の媒体を買う時でも徹底的にその費用対効果を管理し、どれだけのリターンがあるのかをしっかりと計算した上で広告を出し、利益が出るとわかったものだけ広告費を積んでいます。昨年は350億円くらい投資しましたが、我々としてはそれだけ投資する場所があるのはありがたいと思っています。
今後も1件1件の広告の効率をしっかりと見て、とにかく多くの広告費を使うだけではなく、1年後、2年後に10パーセントや15パーセントのリターンが返ってくるようにコントロールした運営を心がけていきます。そうではない投資は絶対に行わないとみなさまにお約束したいと考えています。
四半期業績推移
スライドのグラフのとおり、売上高も順調に伸びてきています。
“ニワトリ”から抗体医薬品を作る
ここからは、我々が今後力を入れていくバイオメディカル事業についてです。発表できる数字はまだありませんが、どのようなことを行っているのかを少しでも理解し、興味を持っていただきたいと思っています。
昨年は準備期間で、アライアンスの提携を進めてきた時期でした。このあたりをしっかりご説明した上で、今後どのようなことを考えているのか、どのような芽が咲き始めているのかを理解いただければと思います。
我々の基本となるのは、ニワトリから抗体医薬を作る「ALAgene technology」です。こちらを主軸に置くことは変わっていません。
“ニワトリ”はヒト抗原に対する多様な抗体を作り出す
スライドにダーウィンの写真を載せていますが、進化の過程で鳥類と哺乳類は二手に分かれました。鳥類は人間と遺伝子が40パーセントほどしか一致しないため、人間が持つタンパク質やウイルスに対する抗体を非常に強い力で作り出すことが可能です。
これに注目し、ニワトリを使って強い抗体を大量に作ります。また、今まではネズミやヤギ、ウサギでは不可能だった抗体を特異的にを作ります。そのようなことが技術の根幹となっています。
【写真】鶏舎の様子
ニワトリは鶏舎で飼われています。遺伝子を操作するというよりは、このようなニワトリを使い、自然免疫を利用して強い抗体を作ることに着眼しています。当初から、ニワトリの畜産業が医薬品の抗体を作る生産工場になるのは驚くべきことではないかと考えており、力を入れています。
自己免疫疾患
これまで田辺三菱製薬との取り組みをお伝えしてきました。我々はPADに非常に注目しています。特許の状況については、今まではPAD4で米国および日本での特許査定を受けましたが、前期はPAD2で日本での特許査定が出ています。
スライドに記載のとおり、PAD4もPAD2も自己免疫疾患に関係するため、非常に重要な特許です。このような特許が取れているのは、次のライセンスに向けて前進している証ではないかと考えています。
AI創薬:高性能抗体の作製に成功
AIを使った創薬に非常に力を入れています。インドなどから人材を採用し、AI独自のプログラムを構築しています。さらに、過去のデータの蓄積のインプットも終わっており、高性能抗体の作製に成功しています。
これにより、今までは砂漠からダイヤモンドを見つけるような手作業での作業を行ってきましたが、その効率が100倍にも1,000倍にも、大げさに言いますと1万倍、10万倍にも上がり、スピードが早くなります。
また、取れた抗体をラボに戻して試験したところ、しっかりと親和性があることもわかりました。今までは強い抗体を探す作業に非常に時間がかかっていましたが、このようなものを使い、時間の短縮化を図っています。
今まではニワトリを使った抗体に大変力を入れてきましたが、ある研究者によるとそれ以外の抗体の候補まで挙がってきているとのことです。この技術を自社で構築できたことに自信を持っています。
また、自社だけではなかなか難しいため、北欧の大学とのアライアンスも検討しており、順次進めています。そのようなところと提携することで、プログラムよりもデータをしっかり蓄積することで精度を上げ、どのようなアクションが起こり得るかという予測値の精度も上げていきます。
これにより、ファーマフーズだけではなく、世界中でこのようなものが使える可能性も十分に考えられます。1社ではできることが少ない中で、まずは高性能抗体が作製できたことに対して自信をつけています。
新規共同研究
共同研究開発に関しては、大学名や企業名を増やすことはなかなか難しいです。しかし、今までは自己免疫疾患に関する取り組みを行ってきたところを、現在は線維症にターゲットを置き、いろいろな部位での線維症に対して我々が持つ抗体が寄与できるかについての研究を進めていることです。
線維症が発症する体の部位はいくつかありますので、今までは薬がなかった分野、もしくは薬はあったが進行を止めるにとどまっていたところに関して、画期的な線維症の薬が作れるのではないかと大きく期待しています。
その他にも、AIの技術や違う抗原を使った医薬品の開発が行われていますが、今は自己免疫、線維症などでAIの技術を使い、それらの研究を加速させることに注力し、研究に取り組んでいます。前期に関しては、このあたりのアライアンスの可能性が非常に広がってきています。
AIに関しては「コンピューター系の会社ではないのに何ができるんだろうか」と思う方もいるかもしれませんが、大学などに持っていくと「自分たちでよくそこまでやったね」と言っていただけるくらい、本当に精度が高いものになっています。
このあたりを使うことで、今まで10年かかったものを1年、半年、3ヶ月、1日で可能にし、みなさまに期待していただいている新薬の開発を加速できると確信しています。
世界的プロテオミクス大手と戦略的パートナーシップ締結
ナスダックにも上場しているOlinkというスウェーデンの会社と業務提携した会社を我々のグループ会社としています。こちらはごく微量のタンパク質の解析などを非常に得意としており、世界的にもそこでしかできない技術を使って研究を進めていくことができます。
もちろん大手製薬メーカーや大学機関からの解析の受託事業でも取り組んでいますが、我々の抗体もタンパク質ですので、構造解析や遺伝子の解析などにも非常に相乗効果があり、シナジーが生まれている状況です。
今は受託試験の売上として寄与しているだけですが、2年後から3年後にはさらに驚くような成果が出てくると期待できる事業の1つだと捉え、力を入れています。
四半期業績推移
先ほどもお伝えしたとおり、バイオメディカル事業については、線維症、AI、タンパク質の構造解析などをキーワードとして研究を加速させ、みなさまが驚くような成果を報告できるように日々努力しています。
我々がこのあたりに注力しているということが、今日の一番のハイライトとしてお伝えしたかった部分です。近い将来、みなさまから十分に興味を持っていただきたいと思っています。
売上高の構成イメージ
冒頭で金がお伝えしたとおり、2023年に向けて「新価値創造 1Kプロジェクト」を行っています。新価値とは、新しいものを作り出すということです。今まではなかったもの、なかったやり方、なかった人材などで総合的にシナジーを生み出し、新しい価値を創造することで売上高1,000億円を目指します。
会社の規模だけではなく、「本当に新しい価値を創造できる企業になろう」という意味で命名しています。
ただし、規模の拡大を追うことも企業としては大事ですので、売上高1,000億円を目指し、利益も出しながら、さらに新しい価値を創造しようというプロジェクトです。社内では「1K」と呼ばれており、みんなが共通言語として使っています。
来年は601億円から710億円へ売上をしっかりと伸ばし、先ほどお伝えした創薬などでさらに300億円の売上を積み、5年後には1,000億円を達成するために取り組んでいます。
数値目標
数値目標についてです。売上高1,000億円を目指しながら、売上高成長率を20パーセント、株主に対する配当の還元率を20パーセント、営業利益率を10パーセント目指すことも同時に進めていこうと取り組んでいます。
先ほどもお伝えしたとおり、そのような会社になるためには今までのやり方では絶対に達成しないと思っています。そのため、クリエイティブ、新価値の部分が重要であると信じて、創薬や新しい取り組み、新しい人材などに投資している状況です。
前期、今期、来期は投資の時期であることを、みなさまに頭を下げてご理解いただかなければならないと思っています。
我々は「売上高が1,000億円になった時には、このような会社にする」ということでコミットしていきますが、それまでは投資しなければなかなか到達できません。今はちょうどその過程にあるとご理解いただければと思います。
また、昨年や一昨年からお伝えしている成長率、還元率、営業利益率の目標を今は一切変えていません。このあたりも将来性としてご理解いただければと思います。
連結売上高
来期のポイントです。BtoB事業については先ほどもお伝えしたとおり、工場は来年までフル稼働が見込まれていますので、より効率よく実施していきます。
また、原料の販売から最終商品への流れも加速していきたいと思っており、加えていわゆるメーカーブランドとして十分にブランドを確立させることも行っていきたいと考えています。
どちらかと言いますと今まではファーマフーズも素材を提供する会社のイメージで、「明治薬品といえばどこかの下請け」というイメージが強かったと思います。
しかし、自社商品のブランドをしっかりと確立し、みなさまが目にするようなブランド力がある会社に成長させていくことで、売上・利益・知名度を上げていきたいと思っています。
BtoC事業では、新たに当たりの出てきた商品がいくつかあるため、アクセルを踏んで1件1件のCPOを十分に管理しながら、さらに拡大できると考えています。
明治薬品が仲間になったことで、医薬品の販売・製造も前より少し身近なものとして取り組めるようになってきました。明治薬品では漢方薬などのラインナップも揃え、みなさまにより支持されるようなブランドを作っていこうという動きもあります。
BtoCだけではなく、ドラッグストアへの展開なども考えているため、売上や利益率も考えながら、1件1件の効率を見て、今後さらに拡大路線で取り組んでいきたいと思っています。
先ほど少し力を入れてお伝えしたバイオメディカル事業については、みなさまが期待しているのは新薬の導出だと思います。これは、今進んでいる案件を1歩1歩固めていかなければなりません。
しかし、いつまでも1本足打法ではいけないと思いますので、いろいろな種を仕込むという意味では、前期にいろいろな仕掛けができたと思っています。今期は1個でも2個でもしっかりと目に見えるかたちにしていきたいと考えています。
総括としては、M&Aおよびアライアンスの構築に引き続き注力していきたいと思います。1社でできることは少ないですが、他のブランドや他の企業の力を借り、また今ある歴史や時間を買うなどすることで、我々1社ではできなかったことの幅を広げていきます。
また、国内に限らず、海外にも拠点を作って積極的に進出していく足掛かりにしたいと考え、今いくつか仕掛けています。そのあたりも報告できるように、しっかりと運営していきたいと思っています。
売上とは少し関係のない話が続きましたが、来期は710億円の売上を達成したいと考えています。
連結利益
繰り返しになりますが、積極的に投資してアライアンスを組むことで、営業利益は11億9,100万円を見込んでいます。十分な利益を出しながら投資に回していくため、このような利益率になっていますが、「1Kプロジェクト」を達成するまでは生みの苦しみだと我々は思っています。
投資先があることは、成長している証だと思っています。逆に「投資する場所がない」「利益が出てきた」と思ったら、「ファーマフーズの成長は止まったのではないか」と思っていただけるように、今仕掛けている事業やビジネスの結果を出すことで十分に証明していきたいと思っています。
株主還元
今期の配当予想です。昨年と変わらず、1年間に20円という目標を設定しています。配当の割合としては非常に多くなりますが、それくらいの資金は十分に確保できています。
「株主がこれでは満足しない」という声もあるとは思いますが、まずはこちらをしっかり配当して、「1Kプロジェクト」を達成した暁には数倍のお返しができるようにと考えています。ビジネスにしっかりと投資し、将来性のある会社だと思ってもらえるように経営していきます。
M&A、アライアンスに引続き注力
M&Aとアライアンスについてです。三洋化成工業、ロート製薬、明治薬品をM&Aでグループ会社にしました。ENEGGOはエネオスホールディングスと共同で投資した会社で、未利用な資源を使ったいろいろな取り組みを行っています。
「なぜファーマフーズがこれらの会社と一緒に取り組んでいるのか」と思われるかもしれませんが、今期はそれをご理解いただけるようにしっかりと事業運営していきたいと思います。また、我々はすべての企業に対して非常に可能性を感じているため、今期あたりから結果を出して、みなさまに見せていきたいと思っています。
今期も引き続き、いろいろなM&Aやアライアンスに注力していきたいと思っています。現在、海外の会社ともいくつか話が出ているため、そのあたりもみなさまに報告できるように、しっかりと運営していきたいと思います。
Be Bold リスクを恐れず大胆に
我々は「Be Bold」という目標を掲げ、全社員が進んでいます。「リスクを恐れずに、勇敢たれ」ということで、「大胆にやっていこう」という意味です。
金が冒頭で「ベンチャーの魂をもう一度思い出して、リスクを恐れずに大胆にやり続けよう」というようなことをお話ししました。「1Kプロジェクト」を達成するまでは、この精神で取り組んでいこうと思います。
私は昔からファーマフーズにいますが、昔よりも売上が増えた分、保険をかけることももちろん大事だとは思います。しかし、先ほどお伝えしたとおり、可能性があると信じたところに関しては十分に検証した上で大胆に取り組み、引き続きより大きな成果を求めていきたいと社員一同思っています。ですので、ご理解、ご支援のほど何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
金氏よりご挨拶
金:ベンチャーでスタートして以来、現在は売上高1,000億円を目指しながら、利益をより確保できる会社になろうと思っています。
先ほどお伝えしたとおり、機能性を主軸とした食品原料や完成品の食品、化粧品がありますが、私が最も力を入れたいのは海外と創薬です。若干時間はかかりますが、ここまで取り組んできましたので十分に勝機があると思っています。みなさまには厳しく見ていただければと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。