お子さんが大学生や成人となる方が多い50歳代。お子さんの成長に喜びと寂しさを感じながら、老後に向けてどう貯蓄するか、いつまで働こうかと今後の生活について考えはじめる年代ですよね。
教育費を払い終えてホッとしたのも束の間、50歳代は老後に向けた貯蓄のラストスパートとなります。「いかに貯蓄を増やすか」を考える一方で、同時に行いたいのが「生活水準を少しずつ抑えていくこと」です。
全年代の中でも、50歳代は生活費が最も多い傾向にあります。しかし定年を迎えて年金生活となれば、できるだけ月の赤字を出さないように生活することが重要となります。
今回は50歳代の生活費や貯蓄をみていきます。
「50歳代の生活費」各年代で最も多く、月約28万円
まずは総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」を参考に、各年代ごとの月の消費支出額を見ていきましょう。
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出所:総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」(2021年2月26日公表)
30歳代で22万2432円、40歳代で25万4475円、50歳代で28万3725円までに上がります。上記は消費支出のみのため、これ以外に社会保険料や税金といった非消費支出がかかるため、50歳代では月に30万円以上必要な方も多いでしょう。
60歳代になれば、40歳代と同水準の25万8284円まで下がります。しかし一般的に65歳から年金を受給すると考えると、65歳以降は年金で生活することになります。
厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金の全体平均年金月額は5万6252円。
厚生年金の男性の平均年金月額は16万4742円、女性は10万3808円です。
会社員の夫と国民年金の妻では月約21万円のため、もう少し生活費を抑えたいところでしょう。
50歳代の生活費が高い理由とは?内訳を見る
では、なぜ50歳代の生活費が高いのか、項目別の割合を各年代で比較しましょう。
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出所:総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」(2021年2月26日公表)
年代別に生活費の内訳をみると、「30歳未満と30歳代」は他に比べて「住居」が高く、「40歳代」は「交通・通信」の割合が高くなっています。
50歳代をみると「教育」と「その他の消費支出(交際費を除く)」の割合が他に比べて高いとわかります。
お子さんがいるご家庭では大学が短大、専門学校などへ進学し、教育費や仕送り費用が大きくかかるご家庭も多いでしょう。
一方で、50歳代は生涯で最も年収が高くなる傾向にあります。教育費が払い終えると安心して、さまざまな出費や外食費などが増えてしまう場合もあるでしょう。
60歳代以降になれば生活費は減るものの、「保健医療」などの費用は年齢を重ねるにつれ増える可能性があります。
急に生活水準を変えるのは難しいもの。長いスパンで考えながら、固定費の見直しや外食の回数など、一つずつ出費を抑えていけるといいですね。
50歳代はいくら貯蓄があるか。老後に間に合う?
では、50歳代は実際にどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」を参考に、50歳代・二人以上世帯の全体の貯蓄を見ます。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人世帯調査]令和3年調査結果」をもとにLIMO編集部作成
50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有しない世帯を含む)
- 平均:1386万円
- 中央値:400万円
一部の富裕層に影響されやすい平均は1000万円を超えましたが、より実態に近い中央値は400万円でした。お子さんの学費や仕送りなどにより、貯蓄が減ってしまったというご家庭もあるでしょう。
円グラフをみると、およそ半数の世帯が貯蓄500万円未満でした。今の貯蓄状況では心もとないと言えるでしょう。
50歳代が老後に向けてしたいこと。まずはねんきん定期便の確認を
50歳代の方が老後資金を準備するには、まずねんきん定期便のご確認をおすすめします。
50歳以上になれば、ねんきん定期便で将来の受給予定額が記載されています。これを確認することで、老後の生活費が具体的にイメージできるでしょう。
そこから老後の生活費の不足分や、趣味や旅行、リフォーム、病気や介護などの費用を計算します。
あわせて今の貯蓄や退職金など、入ってくるお金も計算しましょう。出ていくお金と入ってくるお金の差が、必要な老後資金になります。
老後の必要資金がわかれば、「何歳までに、いくら貯める」かを決め、それには「年いくら」「月いくら」貯めればよいのか具体的に計算すると、目に見えてわかりやすいでしょう。
50歳代なら、老後の生活費をどうするか、どの仕事でいつまで働くか、これからどう貯蓄していくかなどの身動きが取りやすい年代です。今回の統計も参考にしながら、今後の生活を考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」(2021年2月26日公表)
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査(令和3年)各種分類別データ]」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
宮野 茉莉子
