3. 老後2000万円問題を直視して備えを
ここで2019年に話題となった「老後2000万円問題」を振り返りましょう。
高齢夫婦無職世帯の場合、月5万5000円の赤字が出て、老後を約30年と仮定すると2000万円足りないという計算です。
これは生活費の不足分のため、これよりも月の赤字を減らせることができれば必要額は減ります。ただ持ち家で計算されているので、賃貸の方は老後の必要額が増えます。
また、リフォームや旅行を希望したり、介護費用は別で必要になります。
そうなると退職金が2000万円あっても足りません。
実際に必要な老後資金はご家庭によって異なるので、ねんきん定期便で年金受給額を確認したり、老後の生活費を実際に計算してみたりするとよいでしょう。
不足分については、早いうちからコツコツ備えていきたいものです。
参考資料
宮野 茉莉子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元証券会社社員
経歴と保有資格
1984年生まれ。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
得意ジャンル
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは厚生労働省、金融庁、総務省、財務省(国税庁)といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、キャリアなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児のひとり親。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年8月20日更新)。