家は買うのが得か? 借りるのが得か?

あなたは持ち家派ですか? 賃貸派ですか?

「家は買うのが得か、借りるのが得か」という永遠の議論がありますが、いずれを選んでも必ず一定のお金を負担しなければ「家」に住むことはできません。

この議論によくあるのが「最後に家が残るから買うのが得」、「最終的にはその人の価値観で決めるべき」という答えです。でも、本当にそうでしょうか?

実際に、持ち家の損得を解説する本がいくつかありますが、ほとんどこの種の答えに終始しています。私にいわせれば、「最後に家が残るから買うのが得」というのは、本当の家の損得を経済合理的に説明していません。「価値観で決めるべき」という意見も、一生で一番大きな買い物をするのに「価値観」で決められていいはずありませんから、根本的には間違った見解です。

このように、今まで、全ての人が必ず必要とする「家」なのに、その正しい知識については全く触れられることがありませんでした。というより、誰も明確に説明ができなかった分野ということなのでしょう。しかし、ここでこの議論に決着をつけたいと思います。

家を買うのも不動産投資

家を買う人の一番大きな購入理由は「家賃がもったいないから」ではないかと思います。家賃を払っても自分のものにならない。しかし、ローンを払い終えれば確実に自分の家となり資産となる、というのが家を買う大きな理由になっているのです。

しかし、本当に持ち家は「資産」になるのでしょうか? 理論的に考えてみましょう。

たとえばあなたが、3,000万円の家を購入し、周辺の家賃相場が15万円だったとしましょう。すると、あなたは家を買っても15万円の家賃を毎月払って住んでいるのと同じになります。つまり、持ち家を買うというのは、不動産投資をして自分で自分に家を貸すのと同じことなのです。

逆をいえば、人に貸せば15万円の家賃が入ってきます。それを放棄して住んでいるともいえます。これを帰属家賃といいます。