厚生年金と国民年金は平均受給額。今年度「厚生年金が年1万円減」で愕然とする夫婦も
では、老後生活の柱となる年金はいくら受給しているのでしょうか。厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」よりまずは平均額を確認します。
国民年金の平均月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6252円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4112円
厚生年金(第1号)の平均月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
国民年金で5万円台、厚生年金では14万円台ですが、男女で約6万円の差があります。
女性の方が男性より賃金が低く、また育児や介護で離職する方もいるため、年金受給額は低い傾向にあります。
実際には個人差が大きく、特に厚生年金は加入月数や収入に応じて将来の受給額が異なるため一概に言えませんが、平均で見ればシニア世代に多い「会社員の夫と専業主婦の妻」で月約22万円受給できる計算になります。
ただし令和4年度の年金受給額は、昨年度より0.4%の減額となりました。
令和4年度の年金月額
- 国民年金(満額):6万4816円(▲259円)
- 厚生年金※(夫婦2人分の国民年金を含む標準的な年金額):21万9593円(▲903円)
※平均的な収入(平均標準報酬賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢高齢年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
「会社員の夫と専業主婦の妻」の夫婦であれば、月903円の減額へ。月903円であれば悲しいけれど仕方ないと思うかもしれません。
しかし、年に換算すれば1万836円です。加えて、帝国データバンクによれば、今年1年で値上げされる品目数は2万を突破し、平均値上げ率が14%と1割を超えています。
10月には今年最多となる6000品目以上の値上げが待っています。年金が年1万円減り、食品だけでも2万品目が1割以上値上げとなると、場合によっては貯蓄を切り崩すご家庭でも出てくるでしょう。