ダイフクの株価急騰中

物流機器大手のダイフク(6383)の株価が最高値を更新中です。過去10年のグラフをまずご覧ください。

同社の株価のこれまでの最高値はバブル期である1990年の2,970円でした。2006年にも戻り高値を付けましたが、最高値更新はならずリーマンショックを迎えます。一時は株価が400円を下回ることもありましたが、2013年以降着実に株価は切り返して上昇し、実に27年ぶりに最高値を付けてきました。

過去最高益更新中

株価が最高値を更新した直接のきっかけは、2017年3月期決算です。営業利益は対前期比+11%増の231億円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、当期純利益)は同+23%増の167億円となりました。いずれも過去最高益更新になります。

2018年3月期の会社予想も過去最高益更新の見通しです。営業利益が同+15%増の266億円、当期純利益が同+14%増の190億円とされました。

さらに、2021年3月期には営業利益336億円を目指すという中期計画目標も掲げられました。

世界一のマテハンとは?

ダイフクの主要事業は「マテハン」です。

マテハンは「マテリアルハンドリングシステム」を意味しており、モノを動かす設備を指します。同社は多様な顧客層に最適なシステムを納入していることが特色です。

2017年3月期の受注を見ると、半導体・液晶生産ラインなどのエレクトロニクス向け、eコマースを含む商業および小売業向け、自動車関連向けがバランスよく並び、さらに空港の搬送システムなども手掛けています。地域別に見ても、顧客が日本・アジア・北米に分散されています。

この結果、同社のIR資料によれば、マテハンシステムサプライヤーのなかで3年連続売上高世界一を達成しています。

ダイフクの社名の由来とは?

ところでダイフクの社名の由来は何でしょうか。

同社は1937年(昭和12年)に「坂口機械製作所」という機械メーカーとして発足しました。その後、社名は何度か変わりましたが、1947年に当時大阪と福知山に工場があったことから「大福機工株式会社」と社名を変更したことが今日の「ダイフク」の由来になります。ちなみにカタカナの「ダイフク」になったのは1984年です。

今後はeコマース革命やIoTの普及で、モノを効率的に運ぶ機能はますます重要になりそうです。また、先進国の労働人口のピークアウトも同社の事業機会拡大を後押ししてくれそうです。過去、業績の振幅の大きかった同社が、これから持続的な成長軌道を描き続けるか、注目がますます高まりそうです。

LIMO編集部