50歳代と定年後はどれくらい月の生活費が違うのか
老後資金を考える際には「年金」と「貯蓄」にわけて考えたいところ。公的年金で不足する部分を私的年金で補い、その他に貯蓄も準備すると安心でしょう。
とはいえ、定年後の生活費の目安がつきにくいところも。
少し前の調査にはなりますが、総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」(2021年(令和3年)2月26日公表)より、年代別の月の消費支出と項目の割合を確認しましょう。
月の消費支出の金額をみると、50歳代の28万3725円をピー クに、60歳代は25万8284円、70歳代は22万5799円、80歳以上は19万818円と減っていくことがわかります。
項目ごとに見ると、まず「食料(外食を除く)」の割合が年代ごとに増えているのがわかります。
60歳代以降はご自身で家庭菜園などをされる方もいますが、一方で年齢を重ねると体力的に毎食自炊が大変になり、食費が増えることも考えられるでしょう。
また、「保健医療」は50歳代までは5%以下でしたが、60歳代で5.5%、70歳代で6.3%、80歳代以上で7.4%と増えています。
病気や怪我をする可能性は誰しも抱えているもの。
政府は75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の保険料を、収入が多い人に限り引き上げる検討をはじめると各種メディアで報じられてもいます。年齢が上がるにつれ、医療費負担は増えると予定しておいた方が良いでしょう。
また、60~70歳代では「教養娯楽」が10%を超え、30歳未満~30歳代と同程度となっています。
60~70歳代でセカンドライフに入り、趣味や旅行、レジャーにお金をかける方も多いのでしょう。自分で何がしたいのか、それにはいくら必要か前もって考えておきたいものです。