4. 「厚生年金は手厚い」とは言い切れないワケ
国民年金の平均受給額は月5万6252円です。
国民年金に比べれば、たしかに上乗せして加入する分、厚生年金は手厚いと言えるでしょう。
しかし分布を見てわかる通り、特に女性の約半数は厚生年金でも月10万円未満となっています。
「自分は厚生年金だから大丈夫」というわけではなく、加入期間と収入に応じて納めた保険料がどれくらいかで将来の受給額が変わります。働き方によっては、「思ったよりも厚生年金が貰えなかった」というケースもあるでしょう。
今回は平均受給額をご紹介しましたが、まずはご自身のおおよその受給予定額をねんきん定期便などで確認しましょう。
早いうちから確認するほど、働き方を変えたり、私的年金や貯蓄で備えたり、老後の働き方を考えたりと、老後資金への対策がしやすく、また複数の方法で備えることができます。
2019年には「老後2000万円問題」が話題となりましたが、老後資金の必要額は個人差あれど、大きくなることが予測されます。まずは現状把握からはじめましょう。
参考資料
宮野 茉莉子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元証券会社社員
経歴と保有資格
1984年生まれ。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
得意ジャンル
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは厚生労働省、金融庁、総務省、財務省(国税庁)といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、キャリアなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児のひとり親。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年8月20日更新)。