2つ目の理由は、買い手はいるものの借入残高以上の値が付かないために残債を返せないことです。その不足分を自己資金で補えれば良いのですが、そうでない場合は今すぐには売却できません。特にフルローン等で購入されている方は要注意です。

さらに、これは売却した後の話ではありますが、借入残高と同じくらいか少し高い金額で売却でき、残債は返済できたものの納める税金が高くて支払えないケースもあります。

こうした理由により、「売却したくても出来ない! でも売却しなかったらデットクロスになってしまう!(すでになっている!)」という最悪のケースが起こり得るのです。

では、このように出口がふさがれた状態にならないようにするには、購入段階でどのように物件を選んだらよいのでしょうか?

買える物件より売れる物件に目をつけろ!

買うのも売るのも融資がすべてといえます。売却を想定する際も「次の買い手が融資を引けるか」を考えましょう。

不動産が紙の投資より有利なのは、現物があること。融資が付くのはそのためです。特に銀行が好んで評価をするのは土地です。

土地は増えたり減ったりしませんから、希少価値があります。ただし、どこでもよいというわけではなく、都市部など人が集まる土地に価値があるのはお分かりいただけますよね。

また、銀行によって融資を出すエリア、出さないエリアが決まっており、その状況も定期的に変わります。1年前までは融資を出していたのに、売却しようとした時には融資が出なくなってしまったということも十分にあり得ますので注意が必要です。

建物の面から見ても融資が出やすい、出にくいの差があります。

一番分かりやすいのが築年数です。築年数が浅い方が融資が出やすく、古くなるにつれ融資が出にくいというのはお分かりいただけると思います。

耐用年数を超過した古い物件であっても、賃貸住宅として実際に稼働しているものは、もちろん収益面では価値があります。

ですが、今の銀行の評価方法ではまだまだ収益性よりも担保価値の方が重視されているので、耐用年数を超過した建物の価値はほとんど認められないことが多いです。そのため、築古の物件には融資がつきにくく、価格が下がってくるのです。

ただし、億単位の物件であれば、あなたの次に購入する人も融資を活用する可能性が高いといえます。

  • 多数の銀行から融資が出るエリアか。
  • 売却するときに担保評価がどれほど残るか=どれだけの融資額が出るか

よくよく吟味してください。

出口戦略を描ける物件を購入する!

今回は出口戦略の大事さを地方物件のリスクと併せて説明しました。

しかし、誤解しないでいただきたいのですが、地方の物件が絶対にダメなわけではありません。

ダメなのは出口戦略を描けないほどの「高値づかみ」です。

収益不動産は自己資金を入れない限り、必ずデットクロスが来ます。その前に売却しようとしても、高値づかみをしてしまうと売却ができないというのが不動産投資をする上で最大の問題です。

不動産投資への融資が出やすい昨今の状況の中で、フルローンで買えるからと安易に買ってしまうのは危険です。購入時から出口戦略を描いていくことが不動産投資では重要なのです。

以上株式会社コン・パスでした。