3. 年金を増やしすぎた夫婦を待つ悲劇とは
繰下げ受給のデメリットとして1番目に挙げられている「加給年金額」について、もう少し深掘りしましょう。
加給年金とは年下の妻や子どもがいる場合に支給される手当てで、「扶養手当」のようなイメージです。
妻が一定の要件を満たす場合、1年あたり22万3800円(生年月日に応じて加算あり)が年金に加算されるのです。
加給年金は妻が65歳まで受給できるので、仮に5歳差の場合、約112万円が受給できなくなります。
一方、年金が増えるということは、これにかかる税金や保険料(健康保険料や介護保険料)も高くなるということです。
引かれる金額が大きくなるため、額面のように手取りも増えるとは限らないのです。
こうしたデメリットを理解しないまま「年金をできるだけ増やす」というのは、老後対策において避けた方がいいでしょう。
もちろん、繰下げ受給は「長生きできれば得をする」という制度なので、早くに亡くなれば損をすることもしっかり認識しなければなりません。